eコラム「北斗七星」

  • 2017.02.09
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年2月9日(木)付



今年もインフルエンザが猛威を振るっている。1月末時点で全国の患者数が、大流行が疑われる「警報レベル」の基準を超え、各地で学級閉鎖などが相次いでいる。今季の流行の大半を占めているA香港型ウイルスは高齢者が重症化しやすく、注意が必要だ◆人類とインフルエンザとの関わりは古い。紀元前5世紀のギリシャの記録に既に登場するらしい。日本でも平安時代の文書に、インフルエンザのことと思われる記載がある。大正時代に流行した「スペインかぜ」では、国内で約39万人が死亡した◆現在ではワクチンが開発され、予防接種が普及したが、発症しても重症化させないことが最大の目的で、残念ながら感染を完全に防ぐことはできない。接種をしたからといって油断は禁物だ◆感染しないためには、やはり「手洗い」「うがい」など日常生活での小まめな予防が欠かせない。加湿器で室内の湿度を適切に保ち、十分な休養を取ることも大切。咳やくしゃみが出るときは、必ずマスクを着用する「咳エチケット」も忘れずに◆インフルエンザにかかると、5日間はウイルスの排出が続く。仮に熱が下がっても発症後5日間は休まなくてはならない。インフルエンザは常に人類につきまとい、害をもたらす厄介者だが、日々の用心で賢明に立ち向かうしかない。(千)

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