e離島の救命率向上へ

  • 2017.02.07
  • 情勢/テクノロジー
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公明新聞:2017年2月7日(火)付



奄美大島にドクターヘリ
2機目で空白地域解消
最も遠い与論島も45分以内に
鹿児島県



鹿児島県奄美市(奄美大島)に昨年12月、奄美群島など県内の各離島をカバーするドクターヘリが配備され、市内で運航開始式が行われた。同事業を推進してきた公明党県議団の成尾信春団長、持冨八郎、松田浩孝と、党市議団の与勝広団長、大迫勝史、栄ヤスエ、橋口耕太郎の各議員が同式典に参加した。


公明、早期配備訴え推進

公明党の推進で2007年6月にドクターヘリ法(救急医療用ヘリコプター特別措置法)が制定されて今年で10年。現在、全国40道府県に49機のドクターヘリが配備され、救命医療の要として重要な役割を果たしている。

鹿児島県内では、本土をカバーするドクターヘリを11年に導入。以来、今回で2機目の配備となる。党県議団や党市議団は、議会質問などを通じて「奄美大島などをカバーする2機目のドクターヘリの早期配備を」と訴えていた。

奄美市に配備されたドクターヘリの運航範囲は、同市の県立大島病院を拠点に奄美群島の有人8島と十島村(トカラ列島)の全域。これまで、奄美大島、加計呂麻島、与路島、請島、喜界島、トカラ列島はドクターヘリの運航範囲から外れていた。

一方、沖永良部島、徳之島、与論島で救命医療の要請があった場合は沖縄県のドクターヘリが出動し、カバーしていた。今回の配備により、鹿児島におけるドクターヘリの空白地域が解消され、拠点である奄美大島から最も遠い与論島へは、45分以内でドクターヘリが到着できる。

県ドクターヘリ運航調整委員会によると、15年度に出動したドクターヘリにより、437人中54人が死亡を免れ、112人が後遺症が残る可能性を防いだという。今回の奄美大島へのドクターヘリ配備によって、さらに救命率が向上するものと期待されている。

鹿児島国際航空株式会社の榎田和也専務取締役は、「就航から1カ月で約20回出動した。どんどん活躍してほしい」と述べる。

奄美市では、14年に救命救急センターを開設するなど運航準備を進めてきた。同センターの服部淳一センター長は「奄美市のような人口が5万人に満たないところでヘリポートを備えた救命センターを開設するのは珍しい。離島を拠点とするドクターヘリ配備は、命を守る観点から必要だ。離島を有する他の自治体でも普及していけば」と語る。

成尾団長は「28の離島がある鹿児島県にとって、救命医療の発展は不可欠。今後も、一人でも多くの命を救う施策を推進していきたい」と語っていた。

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