eコラム「北斗七星」

  • 2017.02.06
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年2月6日(月)付



国会審議には、さまざまな言葉が登場する。「やるやる詐欺」もその一つで、党首討論(2004年4月)に立った民主党の菅直人代表が最初に使った。「最近、おれおれ詐欺というのがありますよね。(略)総理は、やるやる詐欺じゃないですか。やるやると言って何一つやらない」。これで分かるように、もとは「オレオレ詐欺」のもじりである。「辞書には載らなかった不採用語辞典」(飯間浩明 PHP研究所)で知った◆この討論から数年後。民主党は政権与党になるが、選挙公約を実行できず、国民を裏切り続けたのは周知の通り。主犯格の菅元首相に聞いてみたい。かつての発言を一度でも思い出したことがあったか◆しかし、上には上がある。国や自治体の財政に余裕のない今、制度の創設や政策の改善は困難を伴う。それを突き動かし、実現を勝ち取るのが政党の役割だ◆ところが、何か政策が前進すると、貢献度は皆無でも、わが党が推進したかのように胸を張る政党がある。「これ、これ、これ。これはわが党の実績」とばかりに振る舞うから、「コレコレ詐欺」とでも呼んでおこう◆民意をすい上げて政治に反映させる政党が、偽情報を流しては民主主義は危うい。国、地方とも新年度予算案の審議をする今は、最も被害に遭いやすい。ご用心、ご用心。(明)

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