e誰も取り残さない社会へ

  • 2017.01.26
  • 情勢/社会
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公明新聞:2017年1月26日(木)付



SDGs(持続可能な開発目標)の理念 教育に
日本の知見、経験生かす「防災の主流化」訴え
テレワークなど多様な働き方を推進
参院本会議で山口代表



参院は25日、本会議を開き、安倍晋三首相の施政方針演説などに対する各党代表質問を行った。公明党の山口那津男代表は、日本が安定した政治状況下で経済再生を進める一方、世界経済は不透明感が増していると指摘。「わが国は安定の要として責任を果たす」と述べ、公明が安心と未来を切り開く政策を実行すると訴えた。=質問と政府答弁の要旨

【平和外交の展開】

山口代表は、日米関係について、トランプ新政権との信頼関係の構築へ、早期の首脳会談開催に期待を表明。日中関係では、国交正常化45周年の節目にふさわしい取り組みの検討を求めた。また、欧州連合(EU)や東アジア地域など多国間の経済連携交渉を進めるべきだと主張した。

「核兵器のない世界」の実現に向けては、国連での決議採択を受け開始される核兵器禁止条約交渉に、「積極的に議論に参画し、より良い結果となるよう尽力すべきだ」と訴えた。

一方、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の取り組みでは、日本の知見や経験を生かした「防災の主流化」の重要性を指摘。SDGsの「誰一人取り残さない」との理念は「未来を担う子どもたちの心に刻んでほしい重要な考え方」として、教育に取り入れるよう求めた。これに安倍首相も同意し、「2020年度から開始される新しい学習指導要領に基づく教育課程や教材の改善、充実を推進していく」と答えた。

【復興、防災・減災】

山口代表は、熊本地震など昨年の自然災害で浮き彫りとなった課題への対策や、社会インフラの老朽化対策が急務とし、「メンテナンス技術」の産業育成・活性化を図る重要性を訴えた。石井啓一国土交通相(公明党)は、インフラの老朽化対策について「産学官民が一丸となり、技術や知恵を総動員して戦略的に取り組む」と答えた。

【経済再生・地方創生】

山口代表は、「経済成長の果実を適切に分配し『希望がゆきわたる』社会を構築することが持続可能な成長の基盤になる」と指摘。中小企業の所得拡大の促進や無年金者対策など、成長と分配の好循環を後押しする具体策を盛り込んだ17年度予算案と税制改正案の早期成立を主張。地方創生の実現に向けて「若者の活躍を通じた地域活性化を後押しすべき」と主張した。

【保育・介護】

山口代表は、17年度に保育・介護人材の賃金引き上げが実施されることを評価。その上で、新たな保育士の養成や、介護現場で働く人の相談体制強化なども進めるよう主張した。

【働き方改革】

山口代表は多様な働き方を推進し、労働生産性を向上させる観点から、仕事と育児を両立できるテレワークや、起業の手段として期待される副業・兼業の普及を訴えた。安倍首相は「多様な政策手段について検討を進める」と答えた。

【女性・若者の活躍】

女性の活躍推進に向けて山口代表は「ライフステージに応じて再就職しやすい環境整備を」と力説。若者については、青年政策担当大臣の明確化や担当部局の体制強化を提案した。

【いじめ問題】

山口代表は、昨年発表された文部科学省の調査結果で、いじめの認知件数が過去最多を記録したことを踏まえ「これまで以上に未然防止や相談体制の充実に全力を挙げるべきだ」と強調した。

【20年東京五輪】

山口代表は、1964年の大会では、新幹線や高速道路の開通など「現在にも残る数々のレガシー(遺産)が生み出された」と述べ、日本の技術と文化を生かし、2020年大会でも高齢化への対応や環境問題などに役立つ遺産を築くよう訴えた。

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