e女性の視点 防災活動に

  • 2017.01.13
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年1月13日(金)付



「フェア」開催しPR
地域リーダーの座談会や講演で積極的な参加促す
愛知・豊橋市



女性の進める防災活動が私たちを守る――をテーマに、愛知県豊橋市とNPO法人・東海リスクマネジメント研究会(彦坂高司理事長)が主催する「防災フェア」がこのほど、同市内で2日間にわたって開催された。防災フェアは、企業と市民の防災意識の向上を目的に毎年開催されている参加型イベントで、今回の企画は初めて「女性の視点」をクローズアップした。同研究会のスタッフとして活動している公明党の沢田都史子市議が、「地域で防災に取り組む女性リーダーによる座談会」の進行役を務めた。

防災フェアでは、セミナーや講演会、座談会(パネルディスカッション)などを通して市民の意識啓発を図ったほか、自動体外式除細動器(AED)講習や、災害対策関係車両(起震車など)、地元大学の研究室によるAR(拡張現実)技術を活用した災害疑似体験アプリの展示など、参加者に体験学習の場を提供した。中でも2日目に行われた座談会や講演会では、防災に女性の視点が不可欠であることが活発に議論され、反響を呼んだ。

座談会のパネラーは消防団員、高校の生徒会長、学校長、会社経営者ら女性7人。それぞれ日頃の取り組みを紹介し、女性が防災活動へ参加する重要性を訴えた。

このうち、地域行事などで応急手当ての技術や心肺蘇生法を教えている市消防団女性分団の林恵さんは、「家庭ですぐに準備できる防災グッズ」の紹介など、女性の視点を生かした方法で啓発活動を行っていることを報告。「多くの人に女性消防団への理解を深めていただくために、その必要性を伝えていきたい」と語った。

また、同市にある桜丘高校の生徒会長・竹尾玲奈さんは、東日本大震災などで被災地支援のボランティアに学校を挙げて取り組んできたことを紹介し、「万が一、大震災が起きても、被災地ボランティアを通じて学んだ経験が生かせるはず」と話した。その上で「私たちにとって大事なのは震災の記憶を忘れないこと」であり、それを発信し続けていくことではないかと訴えた。

進行役を務めた沢田市議は、女性の視点を防災に生かす仕組みづくりに全力で取り組んでいくことを強調した。

講演会では、講師を務めた静岡大学の池田恵子教授が避難所生活における性別や年齢による環境の違いを説明。「全ての人をきめ細かく支援するには、女性をはじめ多様な人が責任ある立場で防災活動に参加することが重要であり、男女双方の視点が不可欠だ」と述べた。

沢田市議は、地域での、こうした啓発活動に積極的に取り組むとともに、議会でも男女双方の視点に配慮した避難所運営について活発に提案するなど、一貫して防災活動への女性参画を推進してきた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ