eコラム「北斗七星」

  • 2017.01.13
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年1月13日(金)付



インフルエンザの流行がこれからピークという中で、来月にはスギ花粉の飛散が始まる。筆者の花粉症との付き合いは20年ほど前から。当時と今の大きな違いは、症状の改善に効果があるとされる点鼻薬や飲み薬、食品などが豊富に出回っていることだ◆ネット上にも役に立ちそうな情報があふれている。ただ、その中には真偽の定かでないものがあるから厄介だ。大手IT企業の医療系サイトが昨年、不正確な情報の掲載や無断引用の発覚で休止に追い込まれたことは記憶に新しい◆英オックスフォード大学出版局は、2016年を象徴する単語として「ポスト・トゥルース」を選んだ。日本語訳は「脱真実」。偽のニュースや不確定な情報、事実に基づかない主張が支持され、拡散し、社会に影響を与える状況を指すという◆昨年の米大統領選では「ローマ法王がトランプ氏を支持」「ヒラリー氏がイスラム国(IS)に武器を売却」といった偽ニュースがSNSなどで広まった。新聞やテレビが扱わなくても、ネットを主な情報源とする人たちの一部で真実のように受け止められたようだ◆ネット社会に生きる私たちには、情報を読み解く力(メディア・リテラシー)が欠かせない。情報源を確認する、他の情報と比較する、第三者の意見を聞く―こうした習慣を心掛けたい。(幸)

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