e市民同士で褒め合おう

  • 2017.01.11
  • エンターテイメント/情報
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公明新聞:2017年1月11日(水)付



相手の良さを書いて渡す
キリシマイスター認定カードが好評
鹿児島・霧島市



合言葉は、褒めて伸ばす―。鹿児島県霧島市は昨年9月から、市民同士が互いに褒め合う"キリシマイスター"制度を実施し、好評を得ている。同制度の利用状況を調査するため、市議会公明党の時任英寛、有村隆志の両議員はこのほど、市内にある国分西小学校を視察した。


絆強め、街を明るく

キリシマイスターは、ドイツ語で名人や達人を意味する「マイスター」にかけた造語で、霧島市の魅力を知る人たちの総称。制定された7カ条ある憲章の一つに、「相手のいいところを見つけ、褒めて、褒めて、褒めまくるべし」とある。褒め合うことで、市民の郷土愛を高め、地域や市民同士の絆を強くしていくのが狙いだ。

制度のPR動画では、競合する同業者の企業や地域の代表が、互いをたたえる場面がある。2005年に1市6町が合併して誕生した同市。旧市町民の地元への愛着が強く、対抗意識があったことを踏まえ、動画では、市の発展に向けて旧市町民同士が協力し合うことを約す設定になっている。この動画は、時任議員が脚本づくりに携わって完成した。

制度の内容はシンプルで、市が作製した「キリシマイスター認定カード」に褒めたい相手とその理由を書いて相手に渡すだけ。カードは郵送も可能で、遠くに住む人にも思いを伝えられる。褒める対象は人に限らず店などでも構わない。風景や観光地を褒める場合は市にカードを送る。


教育現場で 他者を尊重する心育む

このカードは教育現場でも活用され、国分西小学校6年1組のホームルームでは、日直が1日の生活を振り返り、クラスメートの行動で見習いたい点を紹介。「掃除を黙々としていた」「国語の授業で、物語の読み方が上手だった」など、直接相手に伝えることで、他者を尊重する心が育まれる効果も期待できる。

同制度をいち早くクラス運営に取り入れた担任の米澤栄晃教諭は、「全国で、いじめや差別など悲しい事件が絶えないが、子どもたちには、小さなことでも相手の良いところを見つけられるようになり、友情を深めていってほしい」と願う。

市秘書広報課の柳田謙一郎シティプロモーション推進グループ長は「市民が地元の歴史や観光名所など、地域の魅力を知らないことは多い。地元の良さを再発見してもらうために、市内中で普及させていきたい」と語る。市は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)なども利用し、制度の浸透に努めている。

市議会公明党も、市の知名度向上の観点から議会質問を通じて制度の活用を推進してきた。時任、有村の両議員は「家庭や地域に褒め合う習慣が広まり、市全体が明るくなれば」と語っていた。

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