e義務教育標準法改正 学校指導体制の安定を期待

  • 2016.12.26
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年12月26日(月)付



学校現場の指導体制の強化と安定につながるはずだ。早期の成立を期待したい。

公立小中学校の教職員定数の算定方法を定めた義務教育標準法が改正される見通しとなった。政府が来年の通常国会に改正案を提出する方針を固めたもので、成立すれば教職員定数は16年ぶりに計画的に改善されることになる。

改正を前提に、政府は来年度予算案にも、発達障がいを持つ子どもへの特別指導(通級指導)を担う教員らを大幅に増やすことを明記した。

"教育の党"として強力に推進してきた公明党としても、率直に歓迎、評価したい。

公立小中学校の教職員定数は、学級数などに応じて自動的に決まる「基礎定数」と、いじめや不登校など学校現場が抱える問題に応じて配分する「加配定数」とでなる。通級指導をはじめ、外国人子弟への日本語教育や初任者研修などを担当する教員は、加配定数枠で配置されている。

しかし、加配定数は年度ごとの予算折衝で決まるために不安定で、計画的な配置が難しい。特に、対象となる児童生徒が急増している通級指導や日本語教育の教員は慢性的に不足しており、現場では臨時任用教員らを採用して急場をしのいでいるのが実態だ。改善を求める声は、かねてより上がっていた。

今回の措置は、こうした積年の課題に本格的にメスを入れるもの。公明党も「多様化、複雑化する教育現場にあって、将来にわたる確かな人員配置体制の確立を急ぐべき」(浮島智子党教職員定数検討小委主査)ことを訴えてきた。

具体的には、通級指導などに当たる教員の基礎定数化を来年度から進め、今後10年間で現在の加配定数(約6万4000人)の3割を基礎定数に組み込む。これにより、教員の増員や配置を安定的に確保する道が開け、よりきめ細かな指導も可能となるはずだ。結果的に、学校現場全体の改善にも好影響を与えよう。

無論、これで義務教育の現場が抱える問題が一気に解決するわけではない。というより、「国家百年の計」たる教育の拡充には、日々に改善に取り組む姿勢が欠かせない。法改正を機に、「教育大国・日本」への歩みを飛躍的に加速させたい。

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