e世代間の支え合い強化

  • 2016.11.30
  • 情勢/社会
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公明新聞:2016年11月30日(水)付



年金改革法案 衆院通過
新改定ルール 不測の事態に備え
来月14日まで会期延長も議決



中野氏が賛成討論

将来世代の年金の給付水準を確保するため、年金額改定ルールの見直しなどを盛り込んだ年金制度改革法案は29日午後の衆院本会議で、自民、公明の与党両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、参院に送付された。30日までの今国会会期については、来月14日まで延長することを議決した。政府・与党は、同法案の会期内の成立をめざす。

改定ルール見直しは、決められた財源(現役世代からの保険料収入、国庫負担、積立金)の範囲内で将来までの給付を賄う年金制度の持続可能性を高めることが狙い。年金の支え手である現役世代の賃金が下がった場合は、それに見合った年金額とする考え方を徹底させる。

少子高齢化に合わせて年金額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」も強化する。物価が下がるデフレ時は抑制を先送りするものの、賃金や物価が上昇するような景気回復期には、給付抑制の先送り分を年金額に反映させるよう調整する。

採決に先立ち、本会議で賛成討論を行った公明党の中野洋昌氏は、改定ルール見直しについて「世代間の公平性を確保し、支え合いを盤石にするものだ」と力説。自公連立政権が賃上げを含む経済再生に取り組んできたことに触れた上で「今後、経済に不測の事態が起こっても対応できるよう備えておく必要がある。見直しは一部野党の言う"年金カット"ではなく、経済が厳しいときには全世代が痛みを公平に分かち合い、将来世代の年金を確保するという措置だ」と訴えた。

一方、中野氏は、中小企業で働く短時間労働者も労使合意があれば厚生年金が適用される仕組みや、国民年金に加入する女性の出産前後4カ月間の保険料免除も法案に盛り込まれたとして、「女性の活躍や多様な働き方を推進している」と評価した。

この日の本会議では、民進、共産、自由、社民の野党4党が提出した丹羽秀樹衆院厚生労働委員長(自民)の解任決議案と塩崎恭久厚労相の不信任決議案が、ともに与党と維新などの反対多数で否決された。

民進、自由、社民の3党は年金制度改革法案の採決には加わらず、退席した。

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反対のパフォーマンス 厚労相不信任案の提出など


井上幹事長が野党を批判

公明党の井上義久幹事長は29日昼、国会内で開かれた党代議士会で、年金制度改革法案をめぐる国会審議への対応などを理由に、民進党など野党4党が厚生労働相の不信任決議案を提出したことについて、「委員会や本会議の採決は議会の責任であり、厚労相には関係ない。それでも不信任決議案を出すのは、明らかに(同法案)反対のためのパフォーマンスと言わざるを得ない」と批判した。

野党4党が衆院厚労委員長に対する解任決議案を提出したことについても、「委員長の委員会運営、採決に瑕疵はない」と述べ、野党が衆院本会議で反対討論をするのは、委員会採決に瑕疵はないことを認めている証左だと指摘した。

民進党などが衆院本会議での同法案の採決前に退席する方針を決めたことに対しては、「国民生活にかかわる大事な法案であり、賛否を明らかにするのが公党の責任だ」と指摘。「党内に賛成の人がいて、賛否を明らかにしたくないのではないかと思わざるを得ない」とも語った。

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