eコラム「北斗七星」

  • 2016.11.25
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年11月25日(金)付



「やっと決まった」と友人がため息をつく。役員を務めているマンションの大規模改修にあたって、仮設トイレでもめた。高齢者が多いため、洋式にし非常ベルを設置。女性のために小便器との間にカーテンをつける、など要望が多かったという◆では、災害時に多くが避難場所になる学校のトイレはどうだろう。文部科学省が初めて行った全国の公立小中学校の調査では、約140万個の便器の内、洋便器は61万個と43.3%にとどまった◆一方、市区町村の教育委員会の整備方針は、ほとんどを洋式化すると答えたところが42.5%、各階や各トイレに和式を1つは残すが他は洋式にするも含めれば、85.2%が洋式中心に整備する考えだ◆思い通りに進まない背景には、厳しい財政状況がある。トイレ関連企業でつくる研究会の調査で、「学校のトイレで困っていることは」に対する答えの上位を「臭い」「改修予算がない」が占めることでもうかがえる(学校のトイレ研究会2015年調査)◆前回調査(09年)で改善が必要と思われる箇所のトップを争っていた「校舎の耐震化」は今回、順位を下げ、「トイレ」が教職員、自治体共に最上位に掲げた。耐震化への見通しが立ってきた今、子どもたちや地域のために、学校のトイレは見過せない問題になっている。(繁)

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