eコラム「北斗七星」

  • 2016.11.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年11月23日(水)付



今年も、もうすぐ師走。何かと気ぜわしい時期を迎えるが、毎年、12月に多発するのが振り込め詐欺だ。くれぐれも注意したい◆昨年の年間被害額が約400億円に及んだ振り込め詐欺は、既に大正時代から似た犯罪があったという。当時の新聞記事を拾った8年前の朝日新聞(11月29日付)で知った◆事件は1926(大正15)年2月9日付で報じられた。「東京に息子を勉学に出した高知県の親元に、『大けがをして入院中なので費用150円を送れ』という電報が来た。実家は50円を郵便局留めの電報為替で送った......」。結局、再度の送金要求に怪しいと思った家族が上京し、初めて電報と為替を使った詐欺だと分かった。検挙された同郷の少年の巧妙な犯行手口に驚かされた◆90年をへた今、振り込め詐欺は「現金送付型」といって、宅配便などを利用して犯人が指定した宛先に配達させる「振り込ませない」手口が増えている。だが、普通郵便や宅配便で現金を送ることは郵便法や各事業者の約款で禁じられている。「宅配便で現金送れ」は全て詐欺だ。また犯人が警察官などを装い、現金やキャッシュカードを直接取りに来る「現金受取型」の被害も拡大している◆不審な電話があったら、迷わず最寄りの警察や警察相談専用電話(#9110)へ相談しよう。(翼)

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