eコラム「北斗七星」

  • 2016.10.31
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年10月31日(月)付



中国地方にある一集落での取材が、今も強く印象に残っている。年々子どもが減り続け、放っておけば地区内の小学校は廃校必至。「愛する地域が消滅しかねない」と、危機感を募らせた有志が立ち上がった◆彼らが出した結論は、安価で良質な賃貸住宅を提供し、子育て世代を呼び込もうというアイデア。出資金を出し合って会社を設立。日当たりを含め「地域の一等地」の立地にもこだわった。着実に歩みを進めた結果、10年後には14世帯60人が移り住んだ◆先週発表された国勢調査の確定値。1920年の調査開始以来、初めて日本の総人口が減った。世界に目を転じると上位20カ国中、2010年からの5年で人口が減ったのは日本のみ。65歳以上の割合は26.6%で過去最高、逆に15歳未満は過去最低の12.6%。改めて、世界でも例を見ない少子高齢国家を印象付けた◆国政の主要課題の一つに年金制度改革がある。老後の安心を末永く確保するために欠かせない公的な支えだ。意見はさまざまあるが、やはり現役世代が高齢世代を支える今の仕組みが望ましい◆この制度を維持するためには、社会構造の変化を織り込みながら、もたれあいではなく、皆で前向きに負担を分かち合う価値観が必要になる。政争の具にするテーマではない。実りある論戦を期待したい。(広)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ