e奨学金で進学断念防ぐ

  • 2016.10.31
  • 生活/子育ての補助金・助成金
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公明新聞:2016年10月29日(土)付



「無利子」成績要件撤廃
低所得の世帯対象 来年度入学者の募集開始
公明の提言が実現



文部科学省は28日、来年度入学の大学・専門学校などへの進学者から、低所得世帯の子どもを対象に、無利子奨学金の成績要件を実質的に撤廃すると発表し、募集を始めた。同日、衆院第2議員会館で開かれた公明党給付型奨学金推進プロジェクトチーム(PT、座長=富田茂之衆院議員)の会合で報告した。「家庭の経済状況が原因で進学を断念するようなことがあってはならない」との公明党の主張を受けた取り組みが前進する。

これまで、無利子奨学金を借りるには、高校での成績が5段階評定で平均3.5以上という要件があった。このため、家庭の経済状況が厳しい中で進学を決意したとしても、成績要件を満たさない限り、「有利子」で借りることを余儀なくされ、進学を断念するケースもあった。

文科省の説明によると、今回新たに無利子奨学金の対象となるのは、住民税非課税世帯(例えば、父母と子1人で年収220万円以下)の子どものうち、「評定平均値3.5未満であって学校から推薦された者」。例えば、評定平均値「2.0」の場合でも、学校の推薦が得られれば、対象となる。今回の成績要件撤廃で新たに約2万人が無利子奨学金を受給すると見込まれている。

奨学金事業を行う日本学生支援機構は28日、全国の高校などに募集のための通知を送付した。学校からの推薦期間は12月15日までとなっており、それを踏まえて、各学校で申し込み期間を決める。このため、希望者は学校側に確認する必要がある。

会合で富田座長は、今回の成績要件撤廃について「高く評価したい。意義は大きい」と強調。給付型奨学金の制度設計をめぐる議論においても、経済的事情による進学断念を防ぐという理念を具体化していく考えを改めて表明した。

低所得世帯の子どもを対象とした無利子奨学金の成績要件撤廃について公明党は、今年7月の参院選の重点政策や党給付型奨学金推進PTが4月に安倍晋三首相に行った提言などで、積極的に主張。

その結果、今年8月に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」に来年度進学者から成績要件を撤廃することが明記された。

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