eコラム「北斗七星」

  • 2016.10.17
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年10月17日(月)付



全国的には、毎年3月あたりの年度末によく見られる道路整備の"駆け込み工事"。札幌市内などでは、その光景を今まさに目にする。「雪が積もってしまう前に」。雪国ならではの事情といえる◆「本格的な冬が到来するまでに......」。同じような理由でも、今年夏の相次ぐ台風襲来で大きな打撃を受けた北海道十勝、オホーツク地方の畑作農家から聞かれる声は、かなり深刻。この時期に復旧作業を終えなければ来年春の種まきすらおぼつかず、一年を棒に振ってしまいかねない◆道内で被害に遭った耕地面積は、約4万ヘクタールと広大。何代にもわたって大切に育ててきた豊かな土壌が、河川の氾濫で根こそぎ押し流されたり、分厚い土砂に覆い尽くされてしまった場所も多く、状況は厳しい◆公明党の強力な後押しもあって、国は「激甚災害」の指定を急ぎ、先月23日に施行。農地などの復旧事業に対する国庫補助率を引き上げたほか、今月7日には被災農林漁業者への支援対策として共済金の早期支払いや、資金貸し付けの際の優遇措置などを打ち出した◆とはいえ、復旧作業に必要な重機や人手の確保、自己負担分の資金繰りなど、実効性を高めるには課題も少なくない。日本の"食"を支える北海道ブランドの農産物。それを守るには、支援の手が行き渡る迅速な対応が望まれる。(武)

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