e女性、若者の活躍 後押し

  • 2016.09.30
  • 政治/国会
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公明新聞:2016年9月30日(金)付



子どもの貧困、連鎖解消を
下請け取引是正など 中小企業の経営強化も
存在感高める外交さらに
温暖化防止へ「パリ協定」承認急げ
参院本会議で山口代表



参院は29日、本会議を開き、安倍晋三首相の所信表明演説などに対する各党代表質問を行った。公明党の山口那津男代表は、経済再生や社会保障、頻発する自然災害などの課題が山積する中、「不安を取り除く希望を示し、実行し、結果を出していくことが政治の使命だ」と強調。経済再生の重要な柱となる今年度第2次補正予算案の早期成立を期す一方で、国民の多様なニーズを受け止める与党として、「一人一人が輝き、活躍できる社会をめざす」と訴えた。

質問と政府答弁の要旨


【復興、防災・減災】

山口代表は、「人間の復興」に焦点を定めた東日本大震災からの復興加速へ決意を語る一方、熊本地震の復興に向け、被災者に寄り添い、多様な状況に応じたきめ細かな支援を要請。

防災・減災では、全国で異常気象が頻発し、自然災害は局地化、集中化、激甚化しているとして「気象環境の変化に対応した対策を再構築する必要がある」と指摘。安倍首相は、河川の氾濫防止だけでなく、氾濫した場合の被害軽減策の導入など「総合的な取り組みを地方自治体と一体で推進する」と答えた。


【経済再生】

山口代表は、経済再生のカギは「成長と分配の好循環」にあると主張。政府が取りまとめた経済対策と今年度第2次補正予算案は、成長の果実を活用し、家計や中小企業、地方への分配で未来に大きな経済効果をもたらすとして、早期成立と執行を求めた。

また、中小企業・小規模事業者の下請け対策の重要性に触れ、政府が示した対策による取引慣行の改善加速化に期待を示した。


【働き方改革】

山口代表は、次代を担う若者や、子育て・介護に奮闘する現役世代、高齢者や障がい者の活躍が、「これからの日本社会の活力と持続的な成長を生み出す源泉である」との考えを表明。女性や若者の活躍を後押しする施策の充実、高齢者の雇用促進を訴えた。


【やさしいまちづくり】

今年8月、視覚障がい者が地下鉄駅ホームから転落し、電車にひかれ死亡した事故について、山口代表は「駅にホームドアが設置されていれば防げた事案」として見解を求めた。石井啓一国土交通相(公明党)は、駅ホームの安全性向上に向けた検討会を設置し、「年内をめどに、ホームドア整備の加速化や視覚障がい者への誘導案内の強化など、ハード・ソフト両面からの転落防止対策を強化する」と答えた。


【子ども・子育て支援】

山口代表は「家庭の経済事情による教育格差が大きな課題」と強調し、給付型奨学金の創設や、無利子奨学金の成績要件を実質的に撤廃する政府の方針について、確実な実施を要請。安倍首相は「給付型奨学金については、2017年度予算の編成過程を通じて、制度内容について結論を得て、実現する。教育費負担の軽減に向けて、スピード感を持って取り組む」と応じた。

また、山口代表は、子どもの貧困対策や児童虐待防止策の強化、地域における子育て支援について取り組みの加速化を求めた。


【外交】

山口代表は、日本の存在感をさらに高める外交力の重要性を指摘。その上で、党中南米訪問団による3カ国歴訪を踏まえ、中南米地域の安定化で政府見解を聞いた。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けては「テロ対策は待ったなしの課題」と強調した。


【地球温暖化】

地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」について山口代表は、今国会での承認と批准手続きを進めるよう訴えた。安倍首相は「気候変動という国際社会の深刻な課題への対応に最大限貢献していく立場から、早期発効を重視している」とし、今国会に承認案を提出して迅速な締結へ全力を尽くす考えを示した。


「働き方改革」計画作り評価


山口代表

公明党の山口那津男代表は29日、参院本会議での代表質問後、国会内で記者団に対し、大要次のような見解を述べた。

一、首相に丁寧に答えていただいた。東日本大震災の復興では、(福島県浜通り地域に先端産業を集積する)イノベーション・コースト構想や復興五輪などを通し、支援していく政府の姿勢が明確に表れた。具体策の進展を期待したい。

一、(働き方改革について)長時間労働の是正などさまざまな課題で具体的な取り組みの方向性を示しながら、年度内に実行計画をつくるという姿勢を示したことは重要だ。その通りに実現してもらいたい。

一、(地球温暖化対策の新たな国際枠組みであるパリ協定について)日本のリーダーシップが問われている。発効してからの批准では良くない。早期発効へ与党として努力したい。

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