eコラム「北斗七星」

  • 2016.09.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年9月7日(水)付



10日余りの短期間に、四つの台風が北海道を次々と襲った。「大雨による被害は想像以上。河川が相当に"暴れた"」と石井啓一国土交通相(公明党)。住宅地や農地の浸水のほか、交通網は各地で寸断された◆特に日高山脈を越える主要な道路は、軒並み通行不能に。札幌市から帯広市周辺に向かった公明党議員団も迂回に迂回を重ね、普段なら3時間弱の道のりを7時間かけて現地入り。被害状況の掌握や避難住民の激励に奔走した◆その中、"命の道路"ともいえる役割を果たしたのが高速道路「道東自動車道」。ここ数年で、開通区間は道央地域から帯広市へ、釧路市へと延びた。通行止めは1日程度で解消され、救援物資や災害復旧用重機の搬送などに貢献。沿線自治体の町長は、「従来なら"陸の孤島"になるところ。かろうじて免れた」と◆一方、JR線は、オホーツク、十勝の各地域と道央を結ぶ路線で不通に。"地域の足"としてはもとより、タマネギやジャガイモなどの一大産地と全国の食卓をつなぐ役割を貨物列車が担ってきた。それだけに、地域経済や家計に大きな影響を及ぼすことは避けられない◆とかく採算性などにとらわれがちな地方の交通網整備。だが、災害時にこそ真価が問われる。そこに目を向けることが、政治の使命であると痛感する。(武)

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