e高齢ドライバーの事故防ごう!

  • 2016.08.17
  • 情勢/社会
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公明新聞:2016年8月13日(土)付



免許保有(75歳以上)「500万人」時代
相談体制充実めざし免許センターに看護師ら
公明の提案で警察庁が通達



高齢者ドライバーが増えている。2015年末現在、75歳以上で自動車の運転免許を保有しているのは477万人(16年版警察白書、全保有者は8215万人)。前年比では約30万人増。この10年間で2倍以上に増え、2年後の18年には推計で532万人に達する見通しだ。

75歳以上のドライバーによる死亡事故は14年に471件で、全体の12.9%に上る。このうち、認知機能の衰えなど「認知症」が疑われる75歳以上のドライバーの事故は約4割を占める。

警察庁は、75歳以上の運転免許保有者のうち29万~75万人が認知症の可能性があると推計。高齢者ドライバーによる高速道路の逆走も深刻で、国土交通省によると、11~15年に発生した逆走のうち約7割は65歳以上だった。

対策の一環として政府は来年3月から、逆走など特定の違反をした75歳以上のドライバーに対して臨時の認知機能検査を実施することを決定している。

一方、公共交通機関が少ない地域では車が生活に欠かせないことから、移動手段を確保する対策を行う必要性がある。さらに、車の運転は高齢者の生きがいや尊厳にもつながっている。このため、公明党は、25年には認知症患者が約700万人に達すると見込まれていることも踏まえ、高齢者ドライバーの事故防止に向けた環境を整えることを重要視してきた。

今年3月の参院内閣委員会では山本香苗さんが、高齢者ドライバー本人や家族が不安を抱えていることが多いため、「丁寧な相談体制が必要だ」と指摘。免許返納などについても「本人にしっかりと納得してもらうことが大事だ」と訴えた。

その上で、熊本県では、運転免許センター内に医療系専門職員(看護師など)を配置し、専門的な視点で病状の把握、相談などに当たり、自主返納が増えるといった成果を上げていることを紹介。財源には厚生労働省の地域医療介護基金を活用していることから、「厚労省と連携して、各都道府県に周知し、全国展開してもらいたい」と主張した。

警察庁はその後、警視庁や全国の警察本部に対して通達を出し、全国で医療系専門職員を配置した認知症ドライバーの相談体制を整備するために、同基金の積極的な活用を促した。現在、看護師など専門職を配置する動きが徐々に広がっている。

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