eコラム「北斗七星」

  • 2016.07.28
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年7月28日(木)付



「いかなる難所もお通りなされ候」。江戸後期に全国を歩き、日本最初の実測地図を作製した伊能忠敬の測量隊を目撃した人の記述だ。雨、風、雪をものともせず、海岸の危険な場所も果敢に測量していく姿に、驚きを隠せない様子が伝わる◆伊能が55歳から16年の歳月をかけて歩いた距離は、実に地球一周分に相当する約4万キロ。今年は最後の測量から200年になる。完成した地図は極めて精度が高く、欧州において高く評価され、明治以降、国内の基本図の一翼を担った◆「歩け、歩け。続ける事の大切さ」との彼の言葉は、並外れた勇気と行動力に裏打ちされているだけに重みを増す。「後世の役に立つような、しっかりとした仕事がしたい」。その熱意に打たれて弟子となる間宮林蔵との出会いをはじめ、行く先々で支援者が現れ、世紀の偉業が成し遂げられた◆公明党も今日まで、全国の議員が現場を徹して歩き、小さな声に耳を傾け、政策として形にしてきた。離島や山間部など至る所に足を運び、住民と交流を広げる中で築いた実績は数知れない◆今回の参院選で、公明党に「新たな金字塔」(山口代表)となる議席を託された意味は大きい。国民の期待に応え、さらに地に足を着けた現場第一の実践を重ね、「希望が、ゆきわたる国」の実現へ邁進していきたい。(紀)

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