e平和発信の拠点後世に

  • 2016.07.27
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年7月27日(水)付



長崎市の城山小学校
被爆校舎、国指定文化財へ



被爆地・ナガサキの平和への願いを後世まで―。原爆の悲惨さを伝える長崎市立城山小学校(旧城山国民学校)校舎など五つからなる「長崎原爆遺跡」が、市民らの悲願だった国の「指定」文化財に選ばれる見通しとなった。国の文化審議会が先月、同小学校校舎などを指定文化財とするよう求める答申を出し、年内にも指定される見込みだ。強力に推進してきた公明党の秋野公造参院議員、山本信幸市議は22日、同校卒業生で城山小学校被爆校舎平和発信協議会の内田伯会長(86)らと共に校舎を訪れ、大きな前進を喜び合った。


秋野氏と市議団ら 核廃絶に向け強力に推進

「本当に夢のような話で、非常にありがたい。地域に根差した国際的な文化財にしたい」。22日に同小で開かれた被爆校舎運営協議会。内田会長や長崎原爆資料館の中村明俊館長、竹村浩明校長らが集い、文化審議会の答申の報に接した思いを吐露した。

長崎に原爆が投下された1945年8月9日。爆風と熱線で爆心地から約500メートルの距離にあった同校は無残に破壊され、約1400人の児童も自宅などで命を奪われた。あれから71年。被爆に耐え現存する北側校舎の階段棟は、今では被爆資料を展示する平和祈念館となっている。

現在、被爆校舎は国の助言や指導を受ける「登録」文化財となっているが、老朽化が進む被爆遺構を後世に残すため、市民からは国費で安定的に保護できる「指定」文化財とする必要性が強く叫ばれていた。

年月を重ね被爆者が減る中、後世に平和を継承する被爆遺構は、大切な「無言の語り部」として重責を担う。

被爆校舎の指定文化財への選定については、秋野氏が2012年7月24日の参院予算委員会で、「二度と核兵器を使わせないとの被爆地の思いを伝えるシンボルだ」として、国の文化財として保存するよう要請。そこから事態は好転し、13年8月1日には登録記念物として文化財に登録された。

その後も、秋野氏は13年11月5日の参院内閣委員会で、世界遺産登録を見据えた文化財指定を求めたほか、山本市議ら党市議団や内田会長と連携し、市にも強く働き掛けるなど一貫して推進してきた。

さらに、15年11月1日に実現した、核兵器廃絶へ世界の科学者らが集結する「パグウォッシュ会議」のジャヤンタ・ダナパラ会長ら代表団による被爆校舎の訪問も、外務省などに提案してきた秋野氏や党市議団の行動が実ったものだった。


公明に感謝。世界遺産の登録に弾み

被爆の惨状を伝える指定文化財は広島市の原爆ドームに続いて2例目。次なる目標は世界遺産への登録だ。内田会長は「秋野議員と公明党の皆さんに本当に感謝している。世界遺産登録の日に向けて頑張りたい」と語る。

秋野氏は「核兵器を二度と使わせないことを世界と共有することが重要。そのためにも城山小学校を平和の拠点として、平和と非核を願う活動に一層力を注いでいく」と決意を込めた。

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