eコラム「北斗七星」

  • 2016.07.14
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年7月14日(木)付



今年の新入社員たちに聞いた意識調査(日本生産性本部実施)によると、「働く目的」でトップは「楽しい生活をしたい」が41.7%で過去最高に。働き方については、「人並みで十分」が58.3%とこれも過去最高に◆これには景気の動向との関連がある。求人倍率が低い、つまり厳しい就職戦線を戦わざるを得なかった年は、「人並み以上に」との答えが増えるという。デートと残業どちらを選ぶかで、デートを選ぶ人が増えているのはご愛嬌だが、自公政権下での景気回復が、こうしたところにもうかがえる◆気になることもある。4年制大学卒の約36%が利子付き奨学金を利用したが、そのうち約74%が「返済を負担に感じ」ている。少なくない若者が、大きな負担を抱えて社会人生活をスタートさせている◆もう一つは、「どのポストまで昇進したいか」という質問に、女性たちの回答が大きく二極化していること。かつては「専門職」に希望が集中していたが、最近は「課長」程度が3割を超えるまでになった。その一方で、「役職につきたくない」も3割近くまで増えている。「どうせその程度」という思いを抱える女性たちの、働き方への迷いを感じる◆奨学金制度の充実や、女性の地位向上も含めた働き方改革の必要性がこうしたところにも表れている。(繁)

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