e参院選で国民に呼び掛けるには 国会論議の深まり不十分

  • 2016.07.05
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年7月5日(火)付



憲法改正議論に賛成の民進。"3分の2阻止"は自己矛盾
山口代表が指摘



公明党の山口那津男代表は4日の愛知県内での街頭演説会で、民進党などが"改憲勢力による3分の2の議席獲得阻止"などと訴えていることに対して、大要、次のように反論した。

民進党や共産党は参院選で、与党に3分の2(の議席)を取らせてはいけないと盛んに叫んでいる。3分の2とは、憲法改正を国会で発議する時、衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成がいる。しかし、憲法改正の議論は深まっていないというのが、あらゆるメディアの世論調査の結果だ。当然だと思う。国会で議論が深まっていないのだから、国民の皆さんは何が争点かも分からない。

3分の2を取らせないというのも、おかしい。野党なら過半数を取らせないと言うべきではないか。ただ、今の状況で3分の2という数字に意味はない。なぜなら、民進党も憲法を改正していいという考え方で、既に憲法改正を議論してもいいという政党が3分の2を占めているからだ。民進党が3分の2を取らせないと言うのは自己矛盾だ。

憲法改正の議論を進めるのに与党も野党もなく、国会で真剣に議論した上で、国民によく理解してもらいながら進める必要がある。だから、自民党の谷垣(禎一)幹事長も、憲法改正は野党第1党の民進党の理解、協力がなければできないと述べている。民進党にはその責任があるし、どういう憲法改正をめざすのかをはっきりさせるべきだ。ところが、党内の意見がバラバラでまとめることができない。これでは議論を進めることはできない。

共産党は、自衛隊は憲法違反と言い続けている。「では政権を取ったらどうするのか」と聞けば、すぐに廃止はせずに災害時や外国から攻撃を受けた時には命懸けで働いてもらうと、矛盾した筋の通らないことを言っている。自衛隊を動かすなら憲法を改正して合憲にしなければならない。もし憲法を改正しないというなら、自衛隊法は無効なのに超法規的に働けとなり、それこそ共産党が何度も言う「立憲主義」に反する。

公明党は、今の憲法は大変素晴らしい、特に国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義の三つの原理は、これからも大切にしなければいけないと考える。しかし、制定から70年がたち、国民の合意が得られれば新しい価値を加えることは議論していいとの立場だ。

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