e無責任な民共共闘

  • 2016.06.28
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年6月28日(火)付



「消費税」は全く合意なし



7月10日投票の参院選は、民進党と共産党が改選「1人区」で候補者を一本化した「野党共闘」が大きな特徴だ。もともと政策に大きな違いのある両党は"共通政策"を一応まとめ、野合批判をかわそうと躍起だが、国民生活に非常に密接な「消費税」では考え方が決定的に異なっており、何の合意もない。

民進党の参院選向け重点政策は、消費税率の引き上げを「2019年4月まで2年延期」と明記。一方、共産党は「きっぱり断念すべき」と主張している。つまり、民進党は税率引き上げをめざす立場であり、共産党はそれを全く認めない立場で、正反対の方向を向いている。

両党の違いが際立ったのは、公示前から何度も行われた党首討論会だ。民進党の岡田克也代表は、税率引き上げ自体には賛成で、政府・与党の延期判断には「やむを得ない」と容認したのに対し、共産党の志位和夫委員長は「先送りではなく、きっぱり断念すべきだ」と強調。こんな重要政策で真っ向から食い違っていながら、よく候補者の一本化などができたものだ。

さすがに、これには居並ぶ党首たちも「消費税は取らないという志位さんの話は大丈夫か」(新党改革の荒井広幸代表)などと民進党を追及。だが、岡田氏は「消費税の考え方は違う。これは合意の中に入っていない」と開き直った。違いはあって当然とばかりに、それ以上の説明をする気は毛頭ないらしい。

消費税率の引き上げは、社会保障制度の将来の安定と充実のためには必要不可欠な財源であり、極めて重要な政治課題だ。だからこそ民進党は、前身の民主党時代に政権与党として、当時野党だった自民、公明と3党合意を結んだのではなかったのか。

もし、共産党との共闘による"統一候補"が当選したら、その"議員"は食い違いのある政策に対してどう行動するのか。選挙後の政治に対して、民共共闘が無責任極まりないことは、はっきりしている。(野)

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