eコラム「北斗七星」

  • 2016.06.03
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年6月3日(金)付



日本中が泰平の眠りから目を覚ます日となった。米国のペリー提督率いる黒船4隻が、浦賀沖に現れたのは、1853年の旧暦6月3日である。幕末の舞台で乱舞する志士たちは、まだ十代か二十代だったが、やがて藩政改革で登用され、回天の事業の原動力となっていく◆ただ、日本の将来ビジョンまで描いていた人物は皆無に近く、坂本龍馬が唯一の例外だった。実際、彼が発案した有名な「船中八策」は、五箇条の御誓文という形で、明治政府に引き継がれる。「目からウロコの幕末維新」(山村達也 PHP研究所)で知った◆参院選の投票日が7月10日に決まった。民進党や共産党など野党4党は、改選定数1の選挙区全てで、「統一候補」の擁立を決めたと報道されている。比例選でも「統一名簿方式」を模索中という。しかし、政権構想や基本政策の合意がないため、選挙協力した先に、どういう国をめざすのか全く分からない◆「選挙目当ての野合」と批判されるのは当然だろう。今回の参院選から選挙権年齢が18歳に引き下げられ、若い有権者が増えるのに、国の未来像を示せないのは情けない◆ここ数年の国政選挙では、にわか仕立ての新党が生まれては消えていった。選挙狙いの動きは、有権者に必ず見透かされる。そろそろ野党は目を覚ますときだ。(明)

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