e消費増税 19年10月に延期

  • 2016.06.02
  • 情勢/社会
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公明新聞:2016年6月2日(木)付



党首会談受け首相が会見 世界経済のリスク回避
参院選7月10日投票 6月22日公示



安倍晋三首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表は1日午後、首相官邸で会談した。席上、山口代表は、安倍首相が2017年4月の消費税率10%への引き上げを19年10月まで2年半延期する意向を示したことについて、党内議論を行った結果、「党として首相の意向を了承する」と回答した。これを受け、安倍首相は同日夕、首相官邸で記者会見し、消費税率10%への引き上げを2年半延期する方針を正式に表明した。

会見の中で安倍首相は、増税延期の理由に関し、世界経済の下方リスク回避やデフレ脱却のためと表明。先月末の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済の「下方リスクが高まっている」との認識を各国首脳と共有したとし、先進7カ国(G7)が「全ての政策対応を行う」ことの必要性を訴え、「内需を腰折れさせかねない消費税率引き上げは、延期すべきだと判断した」と強調した。

秋の臨時国会に増税延期のための消費増税関連法改正案を提出する方針を説明。また「総合的かつ大胆な経済対策をこの秋に講じる」と述べ、16年度2次補正予算案編成の意向を示した。20年度に基礎的財政収支を黒字にする財政健全化目標を「堅持する」と明言し、増税時に軽減税率を導入することも確約した。

また、参院選を「22日公示―7月10日投開票」の日程で実施すると発表した上で、「これまでの約束とは異なる新しい判断」について「参院選で国民の信を問う」と述べ、延期の是非について審判を仰ぐ考えを示した。衆院解散については「今の段階では解散の『か』の字もない」と語った。


G7の共通認識から判断

軽減税率導入は変わらず

山口代表


公明党の山口那津男代表は1日夜、国会内で記者団に対し、安倍晋三首相の消費税率引き上げ延期の正式表明を受け、大要次のような見解を述べた。

一、延期の理由、これまでの首相自身の発言の整合性について丁寧に説明された。新しい判断をすることになるので、参院選でも国民の信を問いたいとの認識を示した。新しい判断の要因はG7サミットで示された共通認識ということだ。首相の新しい判断、方針は、与党として受け入れた。参院選では、政府・与党のアベノミクスを推進していく方針を選ぶか、違う選択肢を選ぶかが争点になる。これを明確に示したことを評価したい。

一、(軽減税率の導入に関して)すでに消費税制度の中に組み込まれているので、(導入方針は)変わらないことをはっきり示された。軽減税率には需要の抑制を和らげる効果があり、首相の方針と矛盾せず、効果のあるものと位置付けられたと受け止めている。

一、(社会保障の充実分の財源に関する民進党の主張について)引き上げ延期を言っているが、その間の赤字国債発行は、社会保障と税の一体改革に関する3党合意の精神に反する。首相は、世界の財政に対する信認を放棄せず、赤字国債を発行しない方針で、野党とは責任の度合いが全く異なる。

一、(再延期は首相の公約違反との批判について)批判は真摯に受け止めると首相も言っている。しかし、アベノミクスが失敗したわけではなく、賃金上昇、雇用拡大、失業率低下など大きな成果を出している。また、税収増という果実もあった。その果実を生かして1億総活躍プランの中身を、優先度を付けて実行していく。国民の理解は得られると思う。

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