eコラム「北斗七星」

  • 2016.05.09
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月29日(金)付



久しく忘れていた名言を見つけた。「着眼大局、着手小局」である。全体を大きく見て戦略を構想し、実践は小さなことを積み重ねていくという意味だ。磯田道史著『司馬遼太郎スペシャル』(NHK出版)にあった◆荀子の言と思ったが、机上に置いてある『中国古典名言事典』(諸橋轍次著/講談社学術文庫)の「荀子」の章にはなかった。磯田氏によれば、「戦略構想の基本として語られる言葉」らしい。今も企業理念に据える経営者がいるのには、合点がいく◆きょうから、大型連休に突入した。各党が夏の参院選をにらみ、本腰を入れ活動を展開する時期でもある。文字通り「着眼大局、着手小局」が問われてこよう。ただ、決して忘れてならないのは、一つ一つの「着手小局」が戦略を生かし、勝ちを呼び込むカギであるということだ◆「勝負の神様は細部に宿る」。かつて小欄で紹介した、サッカー・ワールドカップ元日本代表監督の岡田武史氏の言葉だ。ナポレオンが「戦闘の運命は時々些細な事柄で決められる」と記した逸話は有名である。結果を分かつ原理なのだろう◆参院選で公明党は比例区に加え、過去最多の7選挙区で候補を擁立。歴史的勝利に挑む。それは人目には小さく見える「私の歴史的勝利」が重なり合って初めて可能となろう。いよいよ"対話の大波を"と誓い、願う。(田)

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