eコラム「北斗七星」

  • 2016.04.28
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月28日(木)付



「災害などでエレベーターが動かなくなったら」。2013年1月、名古屋市営住宅の8階に住む女性は公明党市議に不安を訴えた。夫は車いす利用者。エレベーターが使えなければ緊急避難ができないと◆同市議は手立てを思案する中、ある医療用搬送具に着目した。それは巻かれたマットのバルブを開けると自動的に空気が吸入され、担架に早変わりするもの。車輪はないものの備え付けのベルトを引っ張れば、患者を乗せ廊下や階段を移動できる。同市議はこの搬送具を相談者の女性が住む住宅に配備するよう推進し、先月、1台が導入された◆感心したのは同市議の粘り強い取り組み。党市議団のメンバーと同搬送具について講習を受けた上で住宅の自治会長らに紹介し、防災訓練を通じ住民への周知にも努めた。購入費の助成も市側に要請するなど課題を克服し、3年以上かけて市営住宅初の配備にこぎつけた◆仙台市の高層マンションに住んでいた女性は、東日本大震災でエレベーターが止まったため、同居する母親と共に避難できず、数日後に救い出されたという。筆者はこの話を聞き、高齢者や障がい者を移動させるための備えが必要と痛感して、今回の搬送具導入に注目した◆国民の声を謙虚に受け止め、対応する公明党の姿勢が命を守る政治を前進させる。(典)

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