e「パリ協定」署名 家庭の省エネさらに進めたい

  • 2016.04.26
  • 情勢/国際

公明新聞:2016年4月26日(火)付



2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みとなる「パリ協定」の署名式が22日に開かれ、175カ国・地域が参加した。国際協定の署名初日に調印した国数としては過去最高で、"地球の危機"回避へ国際社会が強い決意を示したといえよう。

パリ協定は、昨年の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択され、世界196カ国・地域全ての参加が初めて実現した、歴史的な国際合意である。

産業革命前からの気温上昇を2度未満にする目的とともに、1.5度未満に抑える努力目標が示された。その上で、今世紀後半には世界全体の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることをめざす内容だ。

今後、協定の発効に向け、各国は議会承認など国内の法的手続きに移る。政府は、早期に手続きを終えられるよう努力し、確実な協定発効につなげるべきだ。

5月には先進7カ国(G7)環境相会合が富山で開かれ、温暖化防止対策が主要議題となる。議長国として日本が議論を主導し、充実した内容を国際社会に発信してほしい。

同時に、国内対策も着実に前進させなければならない。

日本は、30年までに温室ガスの排出を13年比で26%削減する目標を掲げているが、再生可能エネルギーの普及促進などエネルギーの低炭素化が不可欠だ。先日、環境省が発表した行動計画に、温室ガス排出に課税する炭素税や排出枠を売買する排出量取引制度の検討が盛り込まれた。公明党が長年主張している政策であり、実現させてもらいたい。

政府は、目標達成への取り組みを定めた「地球温暖化対策計画」案を公表し、家庭部門で約4割の温室ガス削減が必要とした。しかし、実現は容易ではない。LED(発光ダイオード)照明をはじめとする省エネ製品への切り替えなどを加速させたい。

省エネ製品の購入は家庭の経済的負担を伴うが、長期的には費用負担の軽減につながる場合もある。政府や自治体は、しっかり周知して、国民に協力を仰ぐべきではないか。

何より、「温暖化を食い止める」との意識を国民全体で共有することが重要だ。啓発を強化する必要がある。

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