e刑の一部執行猶予 社会復帰の促進で再犯防止を

  • 2016.04.25
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月25日(月)付



円滑な社会復帰によって受刑者の再犯を防止する新たな制度が動き出す。

裁判所が、社会の中で更生をめざす方が再犯防止のために適当であると判断した場合、懲役や禁錮刑の一部を執行した後、残りの刑期を猶予する「一部執行猶予制度」が6月1日から施行される。

これにより「懲役2年。うち懲役6カ月は2年間の保護観察付きで執行猶予」との判決が可能になり、刑務所など施設内の処遇から社会内の処遇に移行させることができる。社会復帰の失敗による再犯を防止するため、新制度の適切な運用が期待される。

新制度は、実刑判決による施設内処遇か、執行猶予判決による社会内処遇の選択しかない現行制度の中間的な位置づけになる。対象は、3年以下の懲役・禁錮刑の判決のうち、薬物使用者や、初めて実刑判決を科された受刑者に限られる。薬物使用者の場合、執行猶予期間中は必ず保護観察となり、保護観察所から薬物依存に打ち勝つためのプログラムを受講するよう指示される。保護観察期間に刑事事件を起こすと刑務所に収容される。

犯罪対策閣僚会議が2012年7月に決定した「再犯防止に向けた総合対策」によると、犯罪者数の約3割が再犯者で、この再犯者が事件の約6割を起こしている。

事態は深刻だ。総合対策は出所後2年以内に刑務所に再入所する者の割合を、06年から10年の平均値20%から、21年には16%に下げる目標を掲げた。出所者の就労確保など総合対策が進んだこともあり14年は約18%に改善した。

この就労確保の重視は公明党のかねてからの主張だ。

保護観察中に職がなかった人の再犯率は、職があった人の約5倍に上る。公明党は特に、出所者の前歴にかかわらず雇用して更生に協力する民間企業の「協力雇用主」への支援を訴えてきた。

「協力雇用主」の下で雇用された人は、12年の758人が15年には1276人になった。さらなる増加には、求人と求職がうまくかみ合う体制づくりが欠かせない。そのためには、「協力雇用主」の業種を多様化させ、受刑者や出所者への職業訓練を拡充することが求められる。

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