eコラム「北斗七星」

  • 2016.04.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月19日(火)付



温かいご飯を食べ、温かな湯に浸かり、温かな布団にもぐり込む......。ごく当たり前の日常が、どれほどありがたく思えたか。5年前の今ごろ、東日本大震災で自宅周辺は1カ月近く、ガスが止まっていた。繰り返し強い余震が起きる中、寒さと不安に震えながら過ごした日々を思い起こさずにいられない◆熊本、大分を襲った地震で犠牲となった人々の冥福を祈るとともに、被災された方々へ心からお見舞いを申し上げます。両県からは、「3.11」の際、救援物資の提供や被災自治体への職員派遣、さらにはNPOやボランティアによる復興支援と数え切れない支援をいただいてきた◆それだけに東北の被災地では「今こそ恩返しを」と支援の輪が広がっている。仮設商店街やスーパーに募金箱が置かれると次々に真心が寄せられた。自治体や医療機関からの職員派遣も始まっている◆だが、地震が終息する気配が見られないことから、現地の状況もニーズ(要望)も、刻一刻と変化し続けている。地震活動が広域で連鎖する"観測史上、例がない事象"(気象庁)に直面しているのだ◆助かった命を守るため、燃料や物資の供給を途絶えさせてはならない。避難の長期化に備え、住民の心身のケアも必要だ。過去の災害で得た経験と知恵を生かし、復旧・復興に総力を挙げたい。(川)

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