e中間貯蔵「本格輸送」 「安全第一、無事故」肝に銘じて

  • 2016.04.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月18日(月)付



東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で出た廃棄物の中間貯蔵施設予定地(同県大熊町、双葉町)への「本格輸送」が、きょう18日からスタートする。

昨年3月から行われてきたパイロット(試験)輸送が今年3月28日に終了したのを受けたもので、日曜などを除き、原則毎日実施する方針。初日のきょうは大熊町内の仮置き場から約20立方メートル分を同町側の予定地へ運ぶ。

既に事故から5年余り。この段階での「本格輸送」はあまりに遅いと言わざるを得ないが、ともかくも「一歩」を踏み出す意義は大きい。環境省は県や関係市町村と緊密に連携しながら、「安全第一」「絶対無事故」の輸送に万全を期してもらいたい。

同省が公表した中間貯蔵施設の整備に向けた工程表によると、「本格輸送」では計500万~1250万立方メートルの除染廃棄物を今後5年間で搬入する計画。今年度はまず、試験輸送で運んだ量の3倍超に相当する約15万立方メートルを県内1117カ所の仮置き場から運び込み、この間、施設の用地取得・整備も進めて段階的に増量していく方針だ。

ただ、県内には最大2200万立方メートルの除染廃棄物があるとされ、向こう5年間、仮に工程表通りに搬入が進んだとしても、950万~1700万立方メートルが仮置き場に残ることになる。除染廃棄物問題解決の道は、なお遠く険しいと言わざるを得ない。

最大のネックとなっているのは、搬入先となる中間貯蔵施設の用地取得が遅々として進まないことだ。地権者との契約を済まして取得できた用地は先月末現在、予定している総面積1600ヘクタールのうちの1%強(22ヘクタール)にとどまる。

環境省は2365人にも上る地権者の半数が補償額算定の調査に同意しているとして、今後の用地取得に自信を見せるが、いささか楽観的に過ぎないか。誠実な交渉は当然として、担当職員の増加や制度・手続きの改善などを積極的に進める必要があろう。

もとより、福島の復興加速化のためには除染廃棄物の中間貯蔵施設への早期搬入が欠かせない。今回の「本格輸送」を機に、施設の本格稼働に向けた取り組みが大きく前進することを期待したい。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ