e働く世代の受診率向上へ

  • 2016.01.06
  • 生活/生活情報

公明新聞:2016年1月6日(水)付



休日や平日夜間にがん検診
山口県



働く世代のがん検診受診率を向上させ死亡率を減らそうと、山口県は毎年9~11月の3カ月間、県内各地の病院で休日や平日の夜間にがん検診を行っている。医師や放射線技師の人件費、検診に掛かる経費を県が全額負担しており、県の主導によるこうした取り組みは「全国でも山口県だけ」(県医療政策課)だ。がん検診の受診率向上などを一貫して主張してきた公明党の石丸典子県議はこのほど、休日検診に協力している光市内の兼清外科(兼清照久院長)を訪れ、担当者などから話を聞いた。


県内70の医療機関で 9~11月の3カ月間


県が関係費用を全額負担


「平日の昼間は仕事をしているので、なかなか検診に行く時間を取ることができなかった。夜間や休日に検診をしてもらえるのは、とてもありがたい」―。兼清外科で休日検診を受けた女性は、こう語っていた。


山口県が取り組みを進めている休日・夜間検診には、県内70の医療機関が協力しており、検診種目は乳がん、子宮がん、大腸がんの3種類。各医療機関によって受診できる種目は異なるが、大腸がん検診は休日のみとなっている。


県が、がん検診の休日・夜間検診を始めたのは2009年。県内の、がん検診の受診率が全国的にも最低水準だったことなどから取り組みを開始した。昨年は、取り組みを行った3カ月間だけで、およそ500人が受診したという。


國光文乃・県医療政策課長は「まだまだ受診率が低いのが現状だ。働く世代を中心に、なるべく多くの人に検診を受けてもらうために、県医師会や、市町と連携を取りながら、今後さらなる周知を図っていきたい」と語っていた。


09年当初から休日検診を行っている兼清外科では、マンモグラフィーを使っての乳がん検診を行っており、検査時間は10~15分程度。20代から80代まで、幅広い年代層の女性が受診しているという。兼清院長は「がん検診に対する関心は高まっていると感じる」と話していた。


県ではさらに15年度から、がん対策の取り組みを強化。がん検診の受診に積極的に取り組む企業の表彰や、地域や職場で身近な人たちにがん検診の受診を勧める「がん検診県民サポーター」の募集を開始するなど、さらなる受診率の向上に向けて取り組みを加速させている。


がん検診の受診率向上については、石丸県議が09年6月の定例会で県に対して、休日・夜間検診の実施を求めていたほか、党県議団としても、繰り返し議会質問などを行っていた。


がんは日本人の死因で最も多く、2人に1人が罹ると推計されているが、検診受診率は国の目標の50%(胃、肺、大腸がんは40%)に届かず、日本は先進国の中でも低水準にとどまっており、早期発見や治療につながっていないと指摘されている。


石丸県議は「がん検診、特に乳がんなど、女性特有のがんの受診率が向上していくよう、今後も推進していきたい」と語っていた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ