e外国人旅行客呼び込め!

  • 2015.11.24
  • 情勢/経済
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公明新聞:2015年11月23日(月)付



北海道新幹線開業を見据え
誘客策探り首長ら活発に議論
秋田・小坂町で「観光フォーラム」



来年3月の北海道新幹線開業を控え、北海道道南・北東北全体で観光誘客策を探る「第8回小坂町観光フォーラム」が、秋田県の同町主催で10月30、31の2日間にわたって開かれ、魅力ある観光地づくりをめざそうと活発に議論が交わされた。


"青函観光圏"で魅力高める


フォーラムには北海道、青森、秋田、岩手、宮城、山形の各県から首長や観光関係者ら約200人が参加。年間1300万人を超える訪日外国人旅行客(インバウンド)を、どのように道南や北東北に呼び込み、観光振興へと結び付けていくかをテーマに進められた。


初日の第1部では、公明党の横山信一参院議員が来賓としてあいさつ。横山氏は「観光はすぐに結果が出るものではなく、地道な積み重ねが必要」とし、8回を数える同フォーラムの重要性を強調。「各県の結び付きを大事にしながらインバウンドを誘客する連携を探っていきたい」と語った。


第2部は基調講演。国土交通省の水嶋智審議官が、訪日外国人が年々増えている半面、その宿泊先として東北地方が選ばれる割合が低いことを指摘。その一方で、九州、北陸新幹線の開業により、沿線地域での人の移動が増加し、観光や地域経済に波及効果を与えていることを紹介した。


続いて講演した北海道函館市の工藤壽樹市長は、昨年同市を訪れた外国人客が、北海道全体の4分の1を占める35万人に上ったことを報告。その要因として、2000年から積極的に海外へトップセールスを実施したことや、市の観光情報サイトを11言語に対応させたことを紹介。「新幹線開通を機に東北と連携し、互いの魅力を高め合っていきたい」と話した。


第3部では、地域間の連携や観光力強化をテーマにパネルディスカッションを開催。その中で、青森県弘前市の葛西憲之市長は"街歩き観光"に力を入れる函館市と弘前市が互いのノウハウを共有し、両市の交流人口を活発化させる取り組みを紹介。「新幹線開通を生かし"北海道ブランド"へアプローチしていくことが重要だ」と力説した。


"体験型"の観光に言及した秋田県の中島英史副知事は、雪かきなど普段経験できないことに多くの観光客が来ているとした上で、「地元の人との触れ合いや人のつながりが、今後の誘客のメーンになっていくのでは」と期待を込めた。


コーディネーターを務めた公益社団法人日本観光振興協会の見並陽一理事長は、「これからは青函観光圏を軸に、北海道と東北の相互振興を考えたい」と提案。さらに「地域の魅力を自ら発掘するとともに、青函の広域連携で互いの足りないところを補完し合って、世界に通用する観光地づくりを進めていきたい」とし、パネルディスカッションを締めくくった。なお2日目は、小坂町内の観光施設の視察が行われた。


フォーラムには党青森、秋田、山形の各県本部から議員の代表も参加し、観光振興策について意見交換した。

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