e科学技術基本計画 地域発の技術革新を進めたい

  • 2015.11.04
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年11月3日(火)付



政府の総合科学技術・イノベーション会議の専門調査会は先週、来年度からの5年間に適用される第5期科学技術基本計画の素案をまとめた。計画は年内にも策定される見通しだ。政府は、明確な展望を示し、積極的な投資と事業の推進に取り組んでもらいたい。


政府の研究開発投資は、大学や公的研究機関に向けられることが多いが、地方創生の具体策が求められる今、第5期計画の策定、実施にあたっては、"地域発の技術革新"を生み出すという視点を重視してもらいたい。


国内には、先進的な取り組みを行う地域、企業が少なくない。例えば神戸市は、阪神・淡路大震災からの復興事業として98年から神戸医療産業都市構想を進めている。同プロジェクトでは、市の中心部とつながる人工島に先端医療の拠点を整備。今では、プロジェクトにかかわる企業や団体が300を超えるまでになった。地域医療への貢献に加え、iPS細胞(人工多能性幹細胞)など最先端分野の研究・投資も活発になされ、プロジェクトは大きな経済効果を生み出している。


また、公明党の科学技術委員会は今年5月、産官学の連携で炭素繊維複合材に関する開発を行う石川県内の施設を視察した。日本には、軽くて強い炭素繊維に関する高い技術力があり、世界シェア(占有率)の約7割を国内メーカーが占めるという。宇宙事業や土木・建築、ゴルフクラブや釣り竿など炭素繊維の応用範囲は広く、国や地域の成長に直結する先端技術の開発に期待が高まっている。


一方で、自治体と事業者、大学などの連携による地域発の技術革新を進めるためには、解決すべき課題もある。地域に根差す事業者の中には中小企業が多いが、企業向けの公的補助は、公募期間が短い上、申請手続きが煩雑なこともあり、機会を逃す事業者が少なくない。また、中小企業が申請しやすい小口予算枠の必要性も指摘されている。


政府には、地域や事業者の声に丁寧に耳を傾け、技術革新の芽を育んでいってもらいたい。

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