e核廃絶への潮流確かに

  • 2015.10.30
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年10月30日(金)付



被爆地の実相、世界に発信

山口代表、ダナパラ会長と懇談



核兵器廃絶へ、世界の科学者らが集結する「パグウォッシュ会議世界大会」が長崎市で11月1日に開幕する(5日まで)。これに先立ち、公明党の山口那津男代表と浜田昌良・核廃絶推進委員会座長(参院議員)は29日、衆院第2議員会館で同会議のジャヤンタ・ダナパラ会長と懇談した。



1日から長崎でパグウォッシュ会議



ダナパラ会長は席上、今年が広島・長崎への原爆投下や国連創設から70年、ジョセフ・ロートブラット会長(当時)とともにパグウォッシュ会議がノーベル平和賞を受賞して20年に当たることに触れ、「節目の年の会議を有意義なものにしたい」と強調。平和の実現に取り組む公明党の長崎での大会開催に向けた「寛大な支援に感謝する」と述べた。


一方、「世界は大きく変化している」と指摘。「長崎と広島の重要性にあらためて言及したい。世界は核廃絶への意志を一致して示すべきだ」と訴えた。また、被爆者への哀悼の意を込め、「長崎と広島の資料館にノーベル賞のメダルのレプリカを寄贈したい」と語った。


これに対し山口代表は、唯一の戦争被爆国である日本が「核兵器のない世界に向けて主張し、実現する責任がある」と力説。被爆者の平均年齢が80歳を超すなか、後世や世界に被爆地の実相を伝えるため、公明党が遺構の保存運動に取り組んできたことを紹介した。


最終合意に至らなかった今春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議については、「今後の指針を形成できず残念」とする一方、「パグウォッシュ会議が核なき世界へリーダーシップを発揮してほしい」と述べ、大会の成功に期待を寄せた。



公明 誘致、成功を後押し



長崎で初開催となる今回の世界大会は、「被爆70年―核なき世界、戦争の廃絶、人間性の回復をめざして」と掲げ、「核廃絶と核不拡散」「北東アジアの安全保障と非核化」などを議論する。最終日には「長崎宣言」を採択し、世界に発信する予定だ。


核廃絶をめざす公明党は長年にわたり、被爆地・長崎への世界大会誘致を推進してきたほか、大会成功に向けても尽力。昨年8月に党核廃絶推進委員会が発表した提言でも、長崎での世界大会を政府が積極的に支援するよう求めていた。


大会初日には同会議の代表団が、爆心地に近く、平和祈念館として被爆の惨状を伝える「市立城山小学校(旧城山国民学校)」を訪問する。


城山小の訪問は、秋野公造参院議員と党長崎市議団が外務省や長崎市などに提案してきたもので、秋野氏と党市議団も同行を予定している。

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