eコラム「北斗七星」

  • 2015.10.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年10月26日(月)付



テレビアニメ「サザエさん」の磯野家では、ダイヤル式黒電話が活躍している。昭和の暮らしを思い出させる小道具の一つだ。その固定電話の契約数を携帯電話が逆転したのが2000年11月。21世紀に入り、15年間で約3倍の1億5600万件にまで増加した◆インターネットの普及に伴って機能も拡充し、今や生活に欠かせない携帯電話。先週、料金の引き下げをめぐる論議が、総務省の有識者会議で始まった。乗り換え割引の見直しなどによる、公平性の確保が論点となりそうだ◆例えば大手携帯各社は、他社から自社に乗り換えると端末料金を大幅に割り引くサービスを競っている。しかし、その財源が長期利用者の通信料金で賄われているのは不公平との指摘がある。一貫して同一会社と契約してきた"お得意さま"としては気になる話だ◆有識者会議では、問題の背景に分かりにくい料金体系があるとして、端末価格と通信料金を分離しているアメリカの事例などが紹介された。今後、携帯各社の主張も踏まえながら論議が進められる◆携帯料金の内容は確かに複雑だ。利用状況に応じた公平な負担なのかどうか、それが消費者に分かるような透明性が必要だろう。国や地方財政の改革には「見える化」が不可欠。携帯料金の適正化にも、この視点が欠かせない。(幸)

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