eコラム「北斗七星」

  • 2015.10.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年10月3日(土)付



今週月曜日の夜、月が地球に最も近づいて大きく見える「スーパームーン」の輝きに、しばし見とれた。同じ日、米航空宇宙局(NASA)は「火星で今も水が流れていると考えられる、これまでで最も確かな証拠を発見した」と発表した◆火星の表面には、季節によって水が流れたような黒ずんだ「筋」が現れる。この「筋」を分析した結果、塩を含んだ水が流れた可能性が高いことが判明したという。水があれば生命の存在も考えられる。それは、地球での生命誕生と関わりがあるのだろうか◆昨年12月に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」は、2018年の目的地到着をめざしている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、表面物質を採取できれば「生命の起源にも迫ることができる」と期待している◆火星や小惑星といっても、はるか遠い宇宙空間のこと。しかし、そこに私たち人類のルーツを解く鍵があると聞くと、急に親近感が湧く。「はやぶさ2」の挑戦も、まるで自分探しの旅のように思えてくる◆昔々、人々は月の模様にウサギを見た。SF小説や映画では、タコのような姿の火星人が地球を攻めてきた。21世紀の今、生命の故郷としての宇宙研究が進んでいる。あすから「世界宇宙週間」が始まる。秋の夜長、時には星空に思いをはせてみたい。(幸)

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