eコラム「北斗七星」

  • 2015.09.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年9月22日(火)付



あと186日。北海道新幹線の開業が来年3月26日に決まり、カウントダウンが始まった道内各地では、歓迎ムードが高まっている◆新函館北斗と東京を約4時間で結ぶ「はやぶさ」が1日10往復。新青森、盛岡、仙台へも、それぞれ1往復ずつ運行される。「点と点を結ぶ色合いが濃い航空路線に比べ、新幹線は沿線を面としてつなぐ」。地元経済界には、北海道から東北、首都圏へ新たな経済圏が広がることへの期待が大きい◆一方、地域振興政策を数多く提言してきた北海道大学公共政策大学院の小磯修二特任教授は、「整備新幹線の役割は、いかに地方の活性化に寄与するかにあり、新たな需要を生み出す地方の知恵や努力、工夫が重要」と指摘。"新幹線効果"を全道へ波及させる取り組みの必要性を訴える◆実際、これまでにない観光ルートづくりも本格化。国際的なスキー・リゾートとして人気のニセコに向けたバス路線や、噴火湾でイルカ・ウオッチングを楽しみながら室蘭へ向かうクルーズ船、函館空港から一気に根室中標津、稚内の両空港へ飛ぶチャーター便などが試験的にスタートする◆過疎が進む道南地方のある町では、利便性の向上をアピールして移住者獲得に生かす動きも。「地方創生の起爆剤に」との願いを込めたアイデア勝負は始まったばかりだ。(武)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ