eコラム「北斗七星」

  • 2015.08.28
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年8月28日(金)付



10年以上、出し入れが行われていない預金は年間どのくらいあるのか。正解は約800億円。こうしたお金は「休眠預金」と言われ、心当たりのある方もいるのでは。北斗子もその一人◆最後の取り引きから10年を過ぎ、本人と連絡が取れない休眠預金は原則、銀行の休眠口座に移される。銀行にはこうしたお金が、払い戻しをした額を差し引いても、年間約500億円、収入として計上されている。もちろん、休眠口座に入った後でも請求すれば本人に払い戻しを行う◆"休眠"になりやすいパターンがある。一定期間が過ぎても残高が1万円以下の場合には銀行から連絡が入らず気付きにくい。払い戻しは口座開設支店だったりして、面倒な手続きを敬遠しがちになる◆今国会を視野に公明を含む超党派の議員立法で、休眠預金活用法案を提出する準備が進んでいる。子どもや若者、日常生活で困難を抱えている人、地域活性化などを支援するNPOや民間団体の活動に休眠預金を有効活用してもらうのが狙いだ◆主要国の中で、こうしたお金を銀行の利益にしているのは日本しかない、との指摘もある。活用に当たり、透明性ある仕組みを整えるのは当然のこと。行政では賄いきれない共助の流れを、より太くする一つのアイデアである。意義ある取り組みを応援したい。(広)

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