eコラム「北斗七星」

  • 2015.08.03
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年8月1日(土)付



「民主党はかつての社会党(現在の社民党)に似てきた」。そんな声をよく聞くようになった。同党は右派、保守、リベラル、左派など、さまざまな思潮が共存するサラダボウルのような政党だが、確かに左翼色が強まったように見える◆かつての与党が、平和安全法制について「いつかは徴兵制?」「憲法違反だ!」などと訴えている。だが、民主党政権でも、首相の私的諮問機関や「国家戦略会議」分科会の答申や報告書で、集団的自衛権をめぐる政策の見直しは言及され、安全保障政策の検討課題として認識されていた◆同党の前原政調会長(当時)も「日本が攻撃されるのを未然に防止するために米軍が動いている場合でも共同行動がとれないのはおかしい」(産経新聞、2012年7月11日付)と指摘していたはずだ。問題意識は現在の与党と大きな違いはなかった◆そんな見識は、与党との対決路線によって霧散してしまった。民主党からは、アジアの政治情勢が変化する中で、平和と安全をどのように確保していくかという説得力ある安全保障政策は発信されていない◆左傾化が進めば、保守、中間層の有権者の支持を失い、言論の府でプラカードを掲げ絶叫すれば、賢明な有権者は離反する。民主党は今、二大政党の一翼を担う道を、自ら閉ざそうとしている。(山)

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