eコラム「北斗七星」

  • 2015.06.02
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年6月2日(火)付



日本の政治家や主要政党に求められるのは、明確なスタイルではないだろうか◆米谷紳之介著『老いの流儀 小津安二郎の言葉』を読みながら、そんな思いを持った。低い位置から撮影される家族の日常や短いセリフの反復など、小津の「マンネリをマンネリと感じさせないスタイルの独創性に、今も世界中のファンが惹きつけられる」◆これまで、わが国の選挙は時代の「風」に大きく左右されてきた。社会党のマドンナ旋風、日本新党への期待は遠い昔のことだが、みんなの党などのブームは記憶に新しい。多くの政党は地域で足場を固め、明確なスタイルを確立することよりも、「風」を読むことに懸命だった◆二大政党制の一翼を担うと"期待"された民主党も、復活の兆しはまだ見えない。平和安全法制を審議する国会で、民主党の質問者は、保守派の論客と元社民党幹部が、それぞれの主張を政府にぶつけた。これでは、野党第一党として、同法制に賛成なのか反対なのか分からない。「早くも"党内不一致"が表面化した」と評する報道もあった◆公明党は自民党との間で、さまざまな課題をめぐって、与野党の論戦に匹敵する議論を重ね、合意形成に努めてきた。国民にその過程を示しながら進むスタイルは、時代を超えて信頼と安心をもたらすに違いない。(山)

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