eコラム「北斗七星」

  • 2015.05.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年5月4日(月)付



八十八夜を過ぎ、野にも山にも若葉が茂る季節を迎えた。初夏の日差しを浴びて、木々の葉がまばゆく輝く。きょう「みどりの日」は、祝日法では「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことが趣旨だ◆「稲を生ずる物は天也。是を養ふものは地なり。人は中にゐて天の氣により土地の宜しきに順ひ、時を以て耕作をつとむ」。江戸期の農学者・宮崎安貞が著した「農業全書」(岩波文庫)には、当時の自然観がよく表れている◆作物を生み出すのは天であり、育てるのは土地。人はその仲立ちをして、気候風土に応じ、季節に従って努めるものであるという。自然に対して謙虚に向き合い、共に生きることが何よりも求められた◆公明党が一貫して提唱してきた「都市農業振興基本法」が先月16日に成立した。都市の街づくりに農業が必要とされた意義は大きく、関係者からは「画期的な内容」との声が。特に、地産地消や食育の推進を重視する公明党の主張で、学校教育での農作業体験の機会充実が盛り込まれた点は注目される◆須藤正敏・JA都市農業対策委員長は「収穫体験を通して、自然の恵みを享受する喜びも感じられる」とし、「評価したい」と。自然に生かされていることへの感謝をかみしめ、次世代に食と命の大切さを伝えていきたい。(紀)

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