e動き出す地方創生

  • 2015.04.30
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年4月30日(木)付



移住希望者を後押し

相談拠点 都心に開設



地方創生の最大のカギは「人」。「人が生きる、地方創生。」を掲げる公明党は、「都市住民の3割超が農山漁村への定住願望を持つ」(内閣府調査)ことから、地方への移住支援策を一貫して推進している。3月末には、移住に関する疑問や悩みの相談拠点「移住・交流情報ガーデン」を総務省が東京都内に開設。動き出す地方創生の現場を訪ねた。



生活コスト比較などネットで情報提供も


「年収600万円で都会に住むインテリアコーディネーターと、年収300万円で田舎に住む地方公務員。皆さんはどちらを選びますか?」

26日、移住・交流情報ガーデンで開かれた「地域おこし協力隊」の希望者と島根県の受け入れ自治体とのマッチングイベント。自治体担当者は、田舎にはお金で比較できない豊かな暮らしがあることを熱心にアピールした。


イベントの参加者は主に20~30代。中にはカップルや子ども連れの姿も。「漁業関係の仕事があるそうですが、正直なところ業務内容はきついですか」「車がないと暮らせないですか」―。相談会では活発に質問が飛んだ。


移住・交流情報ガーデンは、JR東京駅八重洲中央口から徒歩4分の東京の"ど真ん中"に位置する。イベントも開ける広々とした空間には、相談に使うテーブルのほか、壁面に全国自治体の移住情報冊子がずらりと並ぶ。子育て中の若い世代が気軽に出入りできるよう、畳敷きの絵本ルームも設けられている。


来場者の応対をする移住相談員は計4人。それぞれが専門分野を持ち、仕事や就農支援、住環境などに関して的確に答えを返す。相談員の森山忍氏は「移住に興味があるので、情報収集の仕方を教えてほしいという人が多い」と来場者の関心の高さを強調する。


今のところ、平日の来場者は1日当たり40~50人で、30~40代が半数。森山相談員は「まだオープンして1カ月なので告知がカギ。自治体とも連携し、PRしたい」と話す。


地方創生の具体化に向けた移住支援策として、国はインターネットによる情報提供にも力を入れている。全国自治体の居住、就労、生活支援情報などを紹介する総務省の「全国移住ナビ」はその一つ。移住・交流情報ガーデンと同時に運用を開始したので、まだ情報量は少ないが、順次内容を充実していく予定だ。


また、経済産業省は「生活コストの『見える化』システム」を作成し、ホームページで公開。これは各自治体の家計収支や暮らしやすさを比較できる仕組みで、家族構成や職業などを入力すれば、生活に必要な金額が分かり、地方移住のイメージが具体的になる。


公明党は、移住・交流情報ガーデンや全国移住ナビの創設を統一地方選の重点政策に明記し、総合的な情報提供体制をつくることを掲げた。今後も、党の「活気ある温かな地域づくり推進本部」を中心に都市住民のニーズに沿った移住支援策を検討し、推進していく。

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