eコラム「北斗七星」

  • 2015.03.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年3月19日(木)付




「合従連衡」。今も使われる中国・戦国時代の外交戦略だ。韓・魏・趙・燕・楚・斉が攻守同盟を締結し大国、秦と対峙したのを合従。片や秦が各国と個別に同盟を結び対抗したことを連衡という◆史実では、連衡策に軍配が上がった。実はこの立役者で、遊説家の張儀には興味深い逸話がある。『史記列伝』(中央公論社『司馬遷』所収)によれば、 張儀が楚を遊説していたころ、宝石泥棒の濡れ衣を着せられて鞭打ち刑を受け帰宅したことがあった◆「何でこんな恥ずかしい目に」。愚痴をこぼす妻への物言いが振るっていた。「おれの舌はまだあるか?」と聞き、「ある」と答える妻に、「なら、まかしとけ」と。後に秦の宰相となった張儀。逸話には口説に命を懸けた人間の腹構えが透けて見える◆「必殺」シリーズの中村主水役で人気を博した俳優、藤田まこと。東京出身ながら、「今は根っからの関西人」と言ってはばからなかった藤田が生前、記者に語った言葉がある。「公明の支持者の方々の動きというのは、地鳴りがするようなすごさがありますね」◆統一地方選前半の告示まであと15日。「公明、圏外」と伝わる中、奔走してくださる党員、支持者の姿が脳裏に浮かぶ。張儀ではないが、全議員、予定候補者が一段と腹を据え「まかしとけ」となったとき、大逆転へ地鳴りのような回転が始まるはずだ。(田)

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