e水防法改正案 "最大級"想定した豪雨に備えよ

  • 2015.02.24
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年2月24日(火)付




政府は先週、地下街などの浸水被害対策を強化するため、水防法や下水道法の改正案を閣議決定した。法案には、公明党の主張が随所に反映されており、今国会での早期成立をめざしていきたい。


2013年に大阪、名古屋の両市で起きた集中豪雨は、雨水が下水道を逆流し、地下街への浸水被害が発生した。その後、自主的に市街地の浸水対策を進めている自治体もあるが、政府は全国的な対応が必要だと判断した。


今回の改正案は、考えられる最大級の豪雨を前提にして、地下街や建物などの浸水が想定される区域を指定するよう自治体に義務付けている。


さらに、想定区域で暮らす住民向けに、避難場所の位置や予想される水深を周知する「ハザードマップ」の作成も自治体に求めている。


地下鉄事業者や地下街の管理者には、経路などを盛り込んだ避難計画の策定を求めるほか、利用客に安全に避難してもらう方法や浸水防止設備の操作に関する訓練を義務化する。


沿岸部で高潮による浸水の恐れがある区域の指定も都道府県に義務を課す。


一般に、40センチの高さまで浸水すると男性の力でも建物内の扉が開けられなくなるという。近年、梅雨の時期から台風シーズンにかけて、1時間当たり100ミリの降雨は決して珍しくない。地下街の利用者が地上の集中豪雨に気付かないうちに、浸水によって建物に閉じ込められる事態が過去に起きている。万全な取り組みを進めなければならない。


このほか、改正案では、民間事業者の建物などに設置されている雨水貯留施設を災害時に自治体が活用できるよう、市町村の下水道事業者が直接管理する協定を結ぶことも可能になる。


自治体の中には、行政が使える土地が限られていることから、条例を制定して雨水貯留に校庭を活用したり、住民に協力を促したりしているところもある。


こうした自治体は、地域ごとの事情をしっかりと踏まえた上で、民間事業者との連携のあり方も含めた対策を早急に検討し、具体化を進めてもらいたい。公明議員は、そのリード役を務めてほしい。

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