e自殺予防 地域社会で命を守る対策を

  • 2015.02.20
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年2月20日(金)付




国や自治体による自殺予防対策が効果を挙げている。国内における昨年1年間の自殺者数は2万5374人で、前年より1909人減った。5年連続で減少し、ここ3年は3万人を下回っている。この流れを確実なものにしたい。


内閣府は、きめ細かい対策が各地で講じられるようになったことが大きいと分析している。


その対策を支えているのは、公明党がリードし、2009年に設置された「地域自殺対策緊急強化基金」だ。各自治体は、自殺予防に関する知識の普及や啓発、相談事業、人材育成など地域の実情に応じて活用している。


基金は、この3月末に終了する予定だったが、15年度まで延長されることになった。地域で、切れ目なく対策を継続するためにも、こうした基金は恒久化すべきだろう。


今後、対策を一段と強化するためには、各地の先進事例を参考にしてほしい。


例えば、秋田県では民間団体と秋田大学、行政が連携し、総合的な対策を推進。住民が地域や周囲の人と、どのようにつながっているかが、自殺やうつ病と相関関係にあることに着目し、市町村レベルで相談事業や住民交流のサロン活動など「地域づくり型」の対策を活発に行っている。「秋田モデル」と呼ばれるこの対策は、着実な自殺予防につながり、同県の昨年の自殺者は、記録が残る1979年以降最少となった。


東京都荒川区は、自殺未遂者対策に力を入れている。救命救急センターに搬送された未遂者に対し、本人の同意を得た上で、保健師が面談。退院後は、区の職員が生活保護の申請やハローワークへの紹介などを寄り添うように支援する。さらに、月に1度、病院と行政、弁護士、民間団体など関係者が集まり、未遂経験者の情報を共有し、再発防止に結び付けている。


わが国は、人口10万人当たりの自殺率で見ると、アメリカの2倍、イギリスやイタリアの3倍に達し、欧米先進国と比べるとまだまだ高い。


一年の中で自殺者数が最も多い3月は「自殺対策強化月間」だ。自殺に追い込まれる人をなくす環境づくりに向けて、社会全体で取り組んでいきたい。

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