eコラム「北斗七星」

  • 2015.02.06
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年2月6日(金)付




「うそであればいい」「再会できれば思いきり抱きしめてやりたい」。過激派組織「イスラム国」とみられる組織に殺害されたとみられる男性の父親が語るのを聞きながら、子どもに先立たれた親のつらさに思いをはせた◆「究極の悲劇」といわれる子どもの死。本紙『ウイメンズなう』(1月20日付)の対談に登場いただいた鹿嶋敬・実践女子大学教授が最愛の娘さんを不慮の交通事故で亡くされていたことを知ったのは、紙面掲載後のことだった◆早速、氏の著『恵里子へ 結納式の10日後、ボリビアで爆死した最愛の娘への鎮魂歌』(日本経済新聞出版社)を求めた。事故は2008年。独身時代最後の旅に出た娘さんの乗った車が、ガソリンを入れたポリタンク満載の酔っ払い運転の対向車と激突・炎上したのだった◆幸せの頂点から悲しみのどん底へ突き落とされた家族。「私は恵里子を失って初めて、いかに時間が経過しようと癒えることのない悲しみがあるということを知った」。そう言う教授は「悲しみの深さは同様の境遇の者でしかわからない」と指摘する◆そんな教授は先の対談で次のように語った。「公明党が政権に参加していることは、人権を重視し、弱い立場の人たちの意見を政治にくみ取る観点から極めて重要です」。その期待に全力で応えたい。(六)

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