e読者の質問に答えます

  • 2015.02.02
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年2月1日(日)付



公明ロボのなっとく!ゼミ

答える人
公明党政務調査会長(衆院議員)
石井 啓一さん



第189通常国会が先月末に召集され、活発な論戦がスタートしました。経済再生をはじめとする多くの課題が正念場を迎え、公明党は衆院選の公約や連立政権合意の実現に挑みます。読者から寄せられた質問について、石井啓一・党政務調査会長(衆院議員)に答えてもらいました。


ロボ 政府・与党は「景気回復の流れを家計や地域にまで広げる」と言っているけど、一体いつになったら、その実感を得られるの?


石井 今年の春闘が一つの目安になると思います。昨年は、賃金の引き上げ率が2.2%と、過去10年間で最高の水準を達成しました。


今年も、政府、労働界、経済界の代表による「政労使会議」が、賃上げに向けて最大限努力することで合意しています。先月末行われた公明党と日本経済団体連合会(経団連)との懇談会の席上、先方から「昨年の賃上げ率を上回るように持っていきたい」との表明もありました。


地域については、2014年度補正予算案に個人消費を下支えしたり、地方の活性化につなげる交付金制度の創設などを盛り込んでいます。同予算案の一日でも早い成立、執行を図っていきます。


女性 消費税の軽減税率をぜひ実現してほしい。議論はどこまで進んでいるの?


石井 今年は軽減税率導入を実現する上で重要な年となります。自民、公明の与党両党は昨年末、17年度からの導入に向け、今年の秋口までに制度案をまとめることで合意しました。


そのために対象品目や経理手法、安定財源などの具体的な制度案を話し合う検討委員会が、与党税制協議会の下に設置され、今月から議論が始まります。国民の期待にしっかり応えていきます。


男性 「介護報酬が9年ぶりに引き下げられる」というニュースを見た。介護サービスの低下につながるのでは?


石井 介護サービスを提供した事業者に支払われる「介護報酬」について、15年度予算案では、15年度から2.27%引き下げるとしています。これは他の業種と比べて高い介護事業者の利益率の適正化を進め、増え続ける社会保障費を抑制するのが狙いです。


実は、介護報酬を引き下げれば、介護保険料と、介護保険を利用する際の自己負担分を抑えられるメリットもある。今回のマイナス改定により、65歳以上の介護保険料は値上げ幅を230円圧縮でき、全国平均で月額5550円程度になる見込みです。


一方、介護事業者の利益が減れば、職員に支払う給料も減らされるのではと心配する声があるのも確かです。この点については今回、介護職員の処遇改善に取り組む事業者への加算を拡充するため、介護報酬を引き下げても介護職員の給与は月額1万2000円程度引き上げることができるようになります。


男性 若者を使い捨てにする「ブラック企業」は深刻な問題です。公明党はどう取り組むの?


石井 今回の通常国会では、若者雇用対策法案の提出・成立をめざしています。若者の雇用に関する初めての法案で、公明党も法制化を提言していました。若者の正規雇用や育成に積極的な企業を認定する制度の創設とともに、ブラック企業対策の強化が主な柱となっています。


現在のハローワークは、企業による求人の申し込みを原則的に断ることができません。今回の法案では、問題がある企業からの求人を拒否することが可能になる予定です。また、求職者が希望すれば、企業側が離職状況などのデータを提供するよう義務付ける方針です。


これまでも公明党は、ハローワークへの在職者向け相談窓口設置などを実現しました。今後も、若者が将来に希望を持てる社会の構築に取り組んでいきます。


女性 子どもを保育園に預けたいけど、どこの施設も定員がいっぱいで入るのは厳しいみたい。待機児童問題は本当に解消できるの?


石井 女性の活躍を後押しするためにも、子育て支援は最優先の課題です。政府は待機児童解消に向け、13年度から17年度までの5年間で、約40万人分の保育の受け皿整備をめざしています。今年4月からは予定通り、「子ども・子育て支援新制度」も始まります。約5100億円が投入され、保育所と幼稚園を一体化した「認定こども園」の拡充・強化や小規模保育の整備などに取り組みます。これにより、15年度には新たに約8万人分の保育の受け皿を増やします。


不足する保育人材確保も重要です。賃金のアップなど保育士の処遇改善や、一度離職してしまった保育士の再就職支援も推進します。


ロボ 東日本大震災の発生からまもなく4年を迎えます。被災地ではまだまだ生活再建が進んでいません。


石井 今なお、約23万人の被災者が仮設住宅などで避難生活を余儀なくされています。一日も早く、当たり前の生活が取り戻せるようにしなければなりません。課題となってきた高台移転などの用地取得を迅速化する法律も昨年成立し、住宅再建、生活再建は着実に前進しています。


15年度は集中復興期間の最後の年です。公明党は今後も「人間の復興」を掲げ、被災者に寄り添った支援を進めていきます。

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