e思いのままに才能発揮 アール・ブリュット展を開催 

  • 2015.01.29
  • エンターテイメント/情報

公明新聞:2015年1月29日(木)付




障がい者の優れた作品並ぶ

国支援のモデル事業

社会参加促し、共生社会へ



東京・品川区



知的障がいや精神障がいのある人の作品を展示する「心の真ん中にある衝動 Tokyo"Brut"展」が16日から25日まで、東京都品川区の区民ギャラリーで開催された。専門の美術教育を受けていなくても、既存の価値観に縛られず、自由な発想で創作したこれらの作品は「アール・ブリュット(生の芸術)」と呼ばれ、国内外で注目度が高まっている。障がい者の芸術文化活動を積極的に推進している区議会公明党の、あくつ広王議員(区議選予定候補)は16日、オープニングセレモニーに駆け付け、関係者と喜び合った。



公明議員が連携して国、都、区で推進



画用紙に描かれた解読困難な無数の文字、毛糸や割り箸を使い"自由"を表現した造形物、大きな油彩画......。精巧な描画や奔放な造形など、型にはまらない、あるがままの思いが表現された芸術作品がズラリと並ぶ。


今回の展示会は、国の「障害者の芸術活動支援モデル事業」に選ばれた社会福祉法人「愛成会」(東京・中野区)が主催。都内などから五つの福祉団体が参加し、28人229点の作品が集まった。今後、3月上旬にかけて、中野、板橋、新宿の各区に会場を移して開催される。


障がい者の優れた芸術作品を見いだし発信することは、障がい者の社会参加を促し、共生社会の実現につながる。オープニングセレモニーでは、愛成会の小林瑞恵アートディレクターがあいさつ【要旨別掲】。区健康福祉事業部の中山文子・障害者福祉課長は「こうした活動が区、さらには国を越えて広がり、障がい者への理解促進につながってほしい」と話した。


2013年4月には、超党派の国会議員による「障害者の芸術文化振興議員連盟」が発足し、副会長に公明党の高木美智代、浮島智子の両衆院議員、事務局長に山本博司参院議員が就任。障がい者が個性や才能を生かして創作活動に取り組める環境整備などを推進してきた。


これを受け、厚生労働省は、障がいのある人やその家族らの創作活動を支えるモデル事業を実施し、ノウハウを積み上げ、全国に広げる取り組みをスタートさせた。


一方、都議会では公明党の高倉良生議員が、長年にわたり障がい者アートへの支援に取り組み、愛成会の活動などをバックアップしている。14年3月の定例会でも、「世界から大きな評価を得ている日本のアール・ブリュットを積極的に支援すべきだ」と訴えた。



皆とつながり、活動広げる



社会福祉法人「愛成会」アートディレクター




小林 瑞恵さん



このモデル事業は、障がい者の芸術活動に関する相談などを受ける障害者芸術活動支援センターの設置をはじめ、著作権保護や芸術活動支援に関する研修、作品の調査・発掘、評価・発信、そして自治体や各種関係機関とのネットワークづくりなど、多様な実践が全国5カ所で取り組まれています。


20年の東京五輪・パラリンピックに合わせて、障がい者の芸術文化活動におけるイベントが開かれるよう、今回の展示会は、その機運を高める一つの始まりだと思います。


障がい者の芸術文化活動を推進していくには、他職種、他団体の人たちとのつながりが必要です。さらに連携しながら、"塊"となって進めていかないと、活動は広まらないと強く感じています。展示会をきっかけに、来年、再来年と、より推進していけるよう、皆さんと一緒に取り組んでまいりたいと考えています。

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