eコラム「北斗七星」

  • 2015.01.29
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年1月29日(木)付




今通常国会で、いの一番に政府が提出した2014年度の補正予算案。このメニューには、暮らしの最前線まで景気回復の実感を届けようと魅力的な施策がそろうほか、地域活性化に向けたユニークなアイデアも並ぶ◆自治体が進める婚活の支援策もその一つ。行政が個人の結婚に関与することに違和感を覚える方もいるだろう。北斗子もそうだった。だが今では、れっきとした地域の少子化対策になっている◆岐阜県との県境にある富山県南砺市は、ひときわ婚活支援に力を注ぐ。人口流出に危機感を抱く典型的な過疎地域だが、キメ細かな施策を積極的に展開した結果、市内でゴールインするカップルが着実に増えている◆かつてこの地域では、適齢期を迎えた男女の面倒を見る気風があったが、いつしかそうした世話焼きは時代の風とともに薄まった。そこで、途絶えたつながりを復活させる役割を果たしているのが、市内の主婦らで作る「なんとおせっ会」。酸いも甘いも知っている先輩世代が、ボランティアで結婚を希望する男女の結び付きを熱く後押ししている◆縁結びの恩人との出会いに感謝する若夫婦。「幸せそうな二人の笑顔を見られることが一番のやりがい」と話すおせっ会さん。心が温かくなる話の"種"も詰まっている補正予算案。迅速な成立を望みたい。(広)

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