e「イスラム国」人質 許せぬ蛮行 邦人救出へ全力を

  • 2015.01.22
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年1月22日(木)付



過激派組織「イスラム国」を名乗るグループが、日本人男性2人を人質に取り、身代金2億ドル(約235億円)を支払わなければ殺害すると警告するビデオ声明をインターネット上に公表。期限が言及されている中で緊迫した局面を迎えている。


政府は情報の分析を急いでいるが、イスラム国による日本人への殺害警告は初めての事態である。人命を盾に取った卑劣な脅迫であり、絶対に許されない。人質が直ちに解放されるよう強く望む。


昨年6月に一方的に国家樹立を宣言したイスラム国は、シリアとイラクの両国で勢力を拡大し、各地で残虐な行為を繰り返している。これまでにも拘束した欧米の民間人を殺害する映像を相次いでネット上に公開し、国際社会を震撼させてきた。


ビデオ声明は、安倍首相が中東地域の安定に向け2億ドル程度の支援を表明したことについて、「進んで十字軍に参加を約束した」と一方的に非難し、支援額と同額の身代金を要求する根拠としている。


しかし、日本の支援内容は、避難民に食料や医療サービスを提供する人道支援など非軍事分野に限られている。イスラム国側の言い分は筋違いも甚だしい。


政府は首相官邸の危機管理センターに対策室を設けるとともに、ヨルダンにも現地対策本部を設置し、対応に当たっている。与党も総力で政府を支援している。


過去に日本人が海外の武装勢力に拘束された事件では、各国政府や地元の有力者を仲介者として交渉を続け、無事に解放に結びつけたケースも少なくない。日本が培ってきた中東地域でのあらゆる協力関係を生かし、最大限の努力をするよう求めたい。


ヨルダンとトルコ、エジプトは事件解決に協力を惜しまない姿勢を示している。米国のケリー国務長官やフランスのファビウス外相も全面的な協力を約束した。


今月上旬にはフランスでイスラム過激派による銃撃テロが起こるなど、過激主義によるテロ事件が世界各地で頻発している。テロの蛮行に決して屈してはならない。


今回の事件は時間との闘いでもある。人質救出に全力を挙げるよう重ねて求めたい。

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